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【日本株】短期的な調整局面も、買い需要強く下落は限定的

先週の日経平均株価は、米連邦準備理事会(FRB)高官からの早期利下げの慎重な発言があったことや、インフレ長期化の懸念が終盤にかけて高まり、3週間ぶりに39000円を割り込みました。
過去の日本株相場で例のない急ピッチな上昇も、この業績相場を抑え込んだ形となっています。

5日(金)に発表された米国雇用統計は雇用者数が予想を上回り、FRBの利下げ開始が後ずれする可能性が更に高まりました。
CMEのフェドウオッチによると、この雇用統計の結果を受けて、6月の利下げ確率が54.5%に低下し、年内の利下げ回数予想も2回に減少しました。
このような状況は引き続き米ドルを支える傾向が強まっていると考えられます。

今週は、イスラエルがイランと戦闘状態に陥る可能性など地政学リスクが高まっており、リスク回避への姿勢が強まりやすいことから方向感が出にくい相場になりそうであるが、国内企業の業績は改善しており、今月下旬から本格的に発表される企業決算への期待もあることから下落があっても引き続き買いの需要は強く、大きな下落は可能性として低いです。

米国では10日(水)の3月消費者物価指数(CPI)と、11日(木)の生産者物価指数(PPI)のインフレ関連指標が続き、注視したい。
さて、日経平均株価のチャート分析にはります。
【日経平均株価(日足チャート)】

※移動平均線は、25日(紫色)、75日(赤色)、200日(青色)を表示
※RSIのパラメータ値は14

ローソク足が25日移動平均線を割り込み、短期的な下落局面を迎えているが、75日と200日移動平均線の上にあり、引き続き中長期的には強い上昇トレンドにあることには変わりありません。

ここから下落した場合の目途としては、38300円辺りのサポートラインで、更なる下落があった場合は75日移動平均線が目途となります。

日経平均株価とRSIの動きが逆行するダイバージェンス(逆行現象)が4月入ってから発生しているため、少し長めの下落を示唆しています。
ただ現在は、RSI自体が50%前後と割高感はなくなっているため、よっぽどのことがなければ、ここからの下落は限定的とみることができます。

<上昇要因>
・堅調な米国株相場
・今月下旬から始まる企業決算への期待
・ローソク足が75日、200日移動平均線の上にあり、移動平均線が全て上向いていること
・円安の定着

<下落要因>
・RSIとのダイバージェンス発生による下落継続
・日本株のPERは過去10年の平均値にあり、割安感は薄れている
・日銀の円買い介入(口先介入)