先週の日経平均株価は、3月期決算企業の発表が本格化を迎えた中、4月29日と5月2日にあった政府・日銀による円買いの覆面介入で大きく円高報告になった状況から一転し、週末にかけて円安方向に推移したことや脱デフレ機運等で国内市場の期待感が高まっていたこともあったが、トヨタ自動車(7203)など、今期業績見通しが市場コンセンサスに届かなかった注目銘柄を多くあり、上値の重い展開となりました。
ただ、米国市場ではNYダウが5月9日まで7営業日連続で上昇したほか、ナスダックが史上最高値に迫るなど堅調に推移しており、米国株のしっかりとした動きは日本株の下支えとなっています。
今週は、5月14日に連邦準備理事会(FRB)がインフレを判断するうえで重要視する4月の米国の卸売物価指数(PPI)の発表があり、翌日15日には消費者物価指数(CPI)の発表があります。
先週は、FRBによる利下げ期待が強まるなか、米長期金利の低下も見られましが、特にCPIの結果によっては、短期的な波乱もあるため注意が必要になります。
国内決算の発表も10日がピークでしたが、13日~15日の3日間で約1500社の発表を控えており、15日には3メガバンクの発表があるなど先週から引き続き注目が集まります。
さて、日経平均株価のチャート分析にはります。
【日経平均株価(日足チャート)】
※移動平均線は、25日(紫色)、75日(赤色)、200日(青色)を表示
※RSIのパラメータ値は14
先週の日経平均株価が、25日移動平均線を上回る場面が何回か見られたものの、すぐに跳ね返される展開となり、非常に上値の重い状況にある中、25日移動平均線が75日移動平均線を大きく下回るデッドクロスの可能性が高まっており、チャート上は下方向を示唆しています。
RSIも売られ過ぎと判断できる30%あたりから一旦50%に戻るも、また下に向かっています。
国内決算のイベントも今週前半で終了し、米国市場の動向に注目が移りますが、ポジティブサプライズが発生しない限り上値を追う展開は期待できないでしょう。
25日線が抵抗線として意識されやすいですが、大きく抜ければまた上昇トレンドに戻る可能性が高くなります。
逆に下落した場合の下値は、4月19日に付けた36700円台となります。
<上昇要因>
・引き続き、堅調な米国株相場
・ローソク足が200日移動平均線の上にあり、長期的な上昇トレンドは変わらず
<下落要因>
・米経済指標の結果次第で波乱が起きる
・25日移動平均線と75日移動平均線のデッドクロス
・想定外の為替変動