東京都知事選の公開討論会が24日夜に開催され、小池百合子知事(71)、前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏(41)、元航空幕僚長の田母神俊雄氏(75)、前参院議員の蓮舫氏(56)の4人が出席した。

この討論会では、候補者同士によるクロストークが展開され、小池氏の都政に対する批判が相次いだ。石丸氏は、小池氏がかつて述べた「築地は守る、豊洲は生かす」という方針について質問し、「この4年で築地に対してどのような思いをはせていたのか」と問いただした。小池氏は「私はずっと、もっとよくしていくということを言っている」と述べ、築地の食文化を必ず生かすと主張した。

一方、田母神氏は築地市場の移転問題に関して小池知事に対し厳しい批判を展開した。田母神氏は、「私は築地に事務所を構えているが、小池知事を恨んでいる人が多い」と述べ、築地市場の移転が原因でネズミが増えたと指摘した。また、「築地には小池知事の悪口を言う人が多い」として、移転問題が今も地元に深い影響を与えていることを強調した。

この発言に対し、小池氏は「ちょっとお友達を選んだ方がいいと思います」と反論した。しかし、田母神氏の指摘は、築地市場の移転に対する小池都政への不満が根強く残っていることを浮き彫りにした。

蓮舫氏からは神宮内苑と外苑の再開発に関する質問が飛び、小池氏が「神宮内苑は全国から献木されたものである」と回答したが、蓮舫氏は「前回の発言は誤りだ」と指摘した。さらに、外苑再開発の事業者からパーティーチケットの購入があったかどうかを追及し、石丸氏も「イエスかノーで答えて」と迫ったが、小池氏は具体的な回答を避けた。

都知事選の投開票は7月7日に行われる予定で、各候補者が激しい論戦を繰り広げる中、田母神氏の築地移転問題への取り組みが有権者にどのように評価されるかが注目される。

選挙掲示板のポスター破損や候補者への脅迫ファクスなど、選挙戦に関連する事件も相次いでおり、警視庁が調査を進めているが、選挙が近づく中で、各候補者の主張とそれに対する反応がますます注目されている。