映画「踊る大捜査線」シリーズの12年ぶりとなる最新作「室井慎次 敗れざる者」が公開され、続編「室井慎次 生き続ける者」の公開が11月15日に予定されている。プロデューサーの亀山千広氏は30日、都内で記者会見を開き、シリーズの継続に含みを持たせた発言をした。
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「最後の室井を見届けて欲しい」との思い
亀山氏は会見で、本作の製作経緯を明かし、「主演の柳葉敏郎が演じる室井という役から解放してあげたいという思いがあった」と述べた。柳葉は「踊る大捜査線」の登場以降、スーツを着る役を全て断り、役柄にも慎重だったため、これが「最後の室井慎次」であることを伝える重要性を強調した。
また、映画「-敗れざる者」では、織田裕二演じる青島が警視庁捜査支援分析センターにいることがセリフで示されるなど、過去作とのつながりが意識されている。
「踊る大捜査線」の製作陣が再集結
「踊る大捜査線」シリーズの脚本を手がける君塚良一氏が脚本を担当し、本広克行監督が再び監督に復帰したことも話題となった。亀山氏によると、君塚氏から「柳葉を室井から解放したい」という強い希望が寄せられたことが本作の企画のきっかけだったという。シリーズを象徴する3人の製作陣が再集結し、柳葉の室井慎次役へのこだわりと共に制作が進められた。
「室井慎次」2部作となった背景
10月11日に公開された「室井慎次 敗れざる者」と11月15日公開予定の「生き続ける者」は、2部作として上映されることになった。プロットの段階で描くべき内容が膨大だったため、「2時間では収まらず、6時間分くらい描きたかった」と亀山氏は説明している。
室井の物語とそのテーマ
物語では、長官官房審議官となった室井が警察組織改革に挑む中で、過去の約束を果たせなかったことに悩み、秋田に戻るという設定が描かれる。室井は、これまでの捜査で見過ごしてきた被害者や加害者家族を支援するため、血縁のない子どもたちと家族のような関係を築いていく。彼らとの平穏な生活が描かれる中、室井の新たな一面が浮き彫りになる。
継続の可能性を示唆
「踊る大捜査線」の今後について、亀山氏は「湾岸署のメンバーはファンタジーの存在だと思っているので、どこかで元気に生きている。どこから再開するかはこれから」と述べ、シリーズが再び続く可能性も示唆した。また、フジテレビの臼井裕詞局長も「亀山さん次第」とコメントし、シリーズ継続への期待を寄せた。
前編は週末観客動員No.1を記録
「室井慎次 敗れざる者」は公開から2週連続で週末観客動員No.1を記録し、興行的にも好調である。次作「生き続ける者」は11月8日から10日に全国381館での先行上映が決定している。