11月11日、石破茂氏が衆参両院の指名選挙で第103代総理大臣に選出された。衆議院での決選投票は30年ぶりとなり、与野党間の激しい争いが展開された。
衆議院本会議での決選投票、30年ぶりの実施
午後3時半ごろ、衆議院本会議において総理大臣指名選挙が行われた。1回目の投票で決着がつかず、決選投票が行われることになったのは、1994年に村山富市氏が総理に選ばれて以来、30年ぶりのことである。
1回目の投票では、石破氏が221票、立憲民主党の野田氏が151票、日本維新の会の馬場氏が38票を獲得し、その他の候補者にも票が分散したため、過半数には届かなかった。このため、石破氏と野田氏の間で決選投票が実施され、最終的に石破氏が221票を獲得して総理大臣に指名された。
参議院での指名選挙、石破氏が圧倒的多数で選出
参議院本会議でも同日午後3時ごろに総理大臣指名選挙が行われた。与党が過半数を占める参議院では、石破氏が142票を得て圧倒的多数で選出された。これに続き、立憲民主党の野田氏が46票、維新の会の馬場氏が18票、国民民主党の玉木氏が11票を獲得した。その他の候補者にも少数の票が投じられたが、石破氏が参議院においても安定した支持を得て指名された。
新内閣発足への準備進行
石破総理大臣は指名を受けて直ちに新内閣の組閣に着手した。組閣においては、先の衆議院選挙で議席を失った閣僚の後任を中心に配置が検討され、法務大臣には鈴木馨祐氏、農林水産大臣には江藤拓氏が内定している。また、国土交通大臣には公明党の中野洋昌氏が選ばれる見込みである。
他の閣僚に関しては再任が見込まれており、新内閣発足後には記者会見を通じて今後の政権運営方針が説明される予定である。
野党からの協力要請と今後の課題
今回の選挙を通じ、石破総理大臣は「選挙結果を謙虚に受け止め、各党との連携を重視して国政にあたる」と述べ、与野党協力の姿勢を示した。野党側からは、政治資金規正法の再改正や、所得税の基礎控除引き上げなどの政策課題について協議を求める声が上がっている。また、今後の臨時国会では、経済対策や政治改革法案などの審議が見込まれ、政策実現に向けた与野党間の協議が進むことが期待されている。