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兵庫知事選、斎藤氏が再選 SNS戦略が支持拡大の鍵に

兵庫県知事選挙の結果と背景
17日に投開票が行われた兵庫県知事選で、失職して再出馬した斎藤元彦氏が再選を果たした。斎藤氏は111万3911票を獲得し、次点の稲村和美氏(97万6637票)に13万票以上の差をつけた。投票率は55.65%で、前回選挙から14.55ポイント上昇した。

今回の選挙は「斎藤氏への信任」が争点となり、彼の3年間の県政運営や告発文書問題への対応が問われた。専門家によれば、選挙戦での斎藤氏のSNS戦略が支持拡大の一因とみられる。

SNSを駆使した戦略と効果
斎藤氏は選挙戦を通じてSNSの活用を強化。投票直前には街頭演説の様子や有権者との交流を写真や動画でX(旧Twitter)に次々と投稿。これにより、Xのフォロワー数は選挙期間中に約7万5000人から21万9000人へと3倍近く増加した。

SNSによる支持拡大について、国際大学の山口真一准教授は「斎藤氏の“戦う姿”が拡散しやすい要素となった」と分析。「県議会や政党と対立する姿勢が有権者の関心を引き、SNS上での投稿が大きなうねりを生んだ」と述べている。また、東京大学の鳥海不二夫教授は「単純接触効果」が作用した可能性を指摘。「繰り返し関連動画を目にすることで親近感が高まり、支持が広がった」との見方を示した。

県政への影響と今後の課題
斎藤氏は再選後、「政策を県職員や議会と協議しながら進める」と意欲を示したが、県政の課題は山積している。県議会では告発文書問題を調査する百条委員会が続行中であり、今後も議会との対立が続く可能性がある。来年度予算案の審議にも影響が及べば、県民生活への悪影響が懸念される。

一方、今回の選挙結果は、SNSが選挙戦に与える影響を改めて浮き彫りにした。専門家は「今後、選挙においてSNSの重要性がさらに高まる可能性がある」と指摘。斎藤氏の再選が県政の安定につながるかどうかが、県民の大きな関心事となっている。