日本とスウェーデンは4日、両国関係を「戦略的パートナーシップ」に格上げし、政治、経済、安全保障、エネルギーなど幅広い分野で連携を強化することを発表した。石破総理大臣とスウェーデンのクリステション首相による首脳会談を通じて、共同声明が発表された。
安全保障での協力拡大
石破総理大臣は会談冒頭、「スウェーデンのNATO加盟は日本国内でも注目されており、安全保障面での協力を深めたい」と述べた。これに対し、クリステション首相は「両国の関係は極めて強い。日本のウクライナ支援に感謝している」と応じた。
会談では、ロシアと北朝鮮の軍事協力に対する懸念を共有し、ロシアへの制裁やウクライナ支援での連携を確認した。また、防衛装備品の輸出や技術移転に関する具体的な協力を進める方針を決定した。
経済分野でのさらなる交流
共同声明では、デジタル化や技術革新を含む経済分野での交流強化が強調された。クリステション首相は、「両国はデジタル技術や革新分野で共通点が多く、さらなる連携が期待される」と述べた。また、民主主義国家として協力する重要性を強調し、アジアの安全保障にもスウェーデンが関与する意義を示した。
エネルギー分野での協力覚書
同日、武藤容治経済産業相とスウェーデンのエッバ・ブッシュ・エネルギー・企業・産業相は、エネルギー分野での協力覚書を締結した。この覚書には、次世代革新炉や小型モジュール炉などの原子力発電に関する協力、蓄電池供給網の連携促進、循環経済の取り組みの共有、スタートアップによる技術革新促進が含まれている。
武藤経済産業相は、「両国の技術力を生かした質の高い連携を期待している」と述べ、日立製作所や日本製鉄などの具体的事例を紹介。一方、ブッシュ産業相は、「協力分野はイノベーション、GX(グリーントランスフォーメーション)、DX(デジタルトランスフォーメーション)など多岐にわたる」と応じた。
戦略的パートナーシップによる新たな時代
今回の戦略的パートナーシップ締結により、日本とスウェーデンは安全保障、経済、エネルギーを含む幅広い分野で協力を強化する方針を示した。両国の連携が、地域および国際社会の安定と発展に寄与することが期待される。