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都議選に向け石丸伸二氏が新党「再生の道」を設立 - 現実的な影響はどこまで?

前・広島県安芸高田市長の石丸伸二氏が1月15日、地域政党「再生の道」を設立した。夏の東京都議会議員選挙に向け、全選挙区に候補を擁立する方針を発表。自民党や立憲民主党は新党の影響力に警戒を強めている。一方、日本維新の会は連携を模索し、国民民主党は石丸氏の動向を慎重に見極める構えだ。

自民・立民、新党に警戒感

石丸氏の新党設立について、自民党の都連関係者は「都議選の結果次第では参院選にも影響が及ぶ」と懸念を示す。今年は参院選と都議選が重なる12年に一度の年であり、自民党は政治資金問題が足を引っ張る可能性が指摘されている。都議選では、過去にも地域政党が無党派層の支持を集め、自民党を苦戦に追い込んだ経緯がある。

立憲民主党も警戒を強めている。石丸氏は昨年の東京都知事選で、立憲民主党が支援した候補を上回る得票を得て2位となった実績がある。都連関係者は「無党派層が多い東京では、新党が支持を伸ばす可能性が高い」と危機感を募らせた。

維新は連携に前向き、国民民主は慎重姿勢

これに対し、日本維新の会は石丸新党との連携に意欲を示している。吉村洋文代表は「多極分散の国家を目指すという価値観を共有している」と述べ、石丸氏の公約についても「新しい視点がある」と評価した。

一方、国民民主党の玉木雄一郎代表(役職停止中)は「政策の詳細が明らかになっていないため、現時点では見定めたい」と述べ、石丸氏からの連携提案に慎重な姿勢を示した。

新党設立会見、異例の展開に

新党設立の会見では、冒頭から異例の展開があった。石丸氏は会見の冒頭で、都庁記者クラブの案内文が外部に流出したことに不満を表明。幹事社の対応を厳しく批判し、「情報管理の徹底がなされない限り、記者クラブは使用しない」と宣言した。

石丸氏はまた、記者会見が誰にでも開放される現行のルールについても疑問を呈し、情報の取り扱いや記者クラブ利用のあり方に関する改善を求めた。この議論が本題に入る前の約10分間にわたり行われ、会場は一時緊張感に包まれた。

SNS戦略の強化が鍵

石丸氏が昨年の都知事選で善戦した要因の一つとして、SNS戦略が挙げられる。これに対し、既存政党もSNS対策の強化に乗り出している。立憲民主党の都連幹部は「SNSを活用して未投票層を取り込む必要がある」と述べ、日本維新の会も「新しい発信方法を模索する」と表明した。

石丸氏が設立した「再生の道」は、都議選での新たな勢力として注目を集めている。既存政党の中には危機感を強める動きもある中、石丸氏の戦略と新党の影響力がどこまで広がるかが焦点となる。