杉元伶一原作、加藤伸吉作画による漫画『国民クイズ』(太田出版)がNetflixシリーズとして実写化されることが決定した。主演を務めるのは俳優・山田孝之である。
『国民クイズ』とは
『国民クイズ』は1993年から1995年まで『モーニング』(講談社)で連載されたカルト的人気を誇る作品である。一時は入手困難となっていたが、ファンからの熱い要望を受けて復刻版や愛蔵版が刊行された。
物語の舞台は、パラレルワールドの日本。日本国憲法のもとに国権の最高機関として位置づけられたクイズ番組「国民クイズ」を中心に展開する。勝者には政府がどんな願いでも叶える権利を与える一方、敗者には罰金や過酷な強制労働、徴兵といった過酷な代償が課される究極のデスゲームである。司会者・K井K一は、その卓越したパフォーマンスで視聴者を熱狂させていた。
実写化の背景とスタッフ陣
『国民クイズ』の実写化は過去にも試みられてきたが、いずれも実現には至らなかった。しかし今回はNetflixの全面的なサポートを受け、ついに映像化が実現した。
監督を務めるのは、『あまちゃん』や『鎌倉殿の13人』など数々の人気ドラマを手掛けてきた吉田照幸氏である。脚本はマギー氏と吉田監督が共同で担当する。さらに、Netflix映画『シティーハンター』などを手掛けた高橋信一氏がエグゼクティブプロデューサーを務め、Netflixシリーズ『今際の国のアリス』の森井輝氏がチーフプロデューサーを務める。
山田孝之が語る意気込み
山田孝之は、司会者・K井K一役を演じるにあたり、次のようにコメントしている。
「2020年くらいにオファーをいただき原作を読みました。40年近く前のストーリーはとても刺激的な内容でしたが、現代に伝えるべきメッセージも多くあると思い出演を決めました。実写版として制作するにあたり、原作漫画の面白さ、見るものとしてのエンターテインメント性、それを伝える上でのリアリティーの距離感がとても大切なので、微力ながらも脚本制作に携わらせていただいております。興奮できて心抉られる作品をお届けできるよう、一丸となって突っ走ります。危険ですのでついてこないでください。」
制作陣からのコメント
吉田監督は、「クイズで支配された近未来の日本という設定が、現代社会を鋭く映し出す物語だ」と語り、Netflix版ならではの新たな『国民クイズ』を作り上げる意欲を見せた。
エグゼクティブプロデューサーの高橋信一氏は、「バブル期に書かれた原作が今なおリアリティを持ち続けていることに驚いた」と述べ、作品が現代社会にもたらす意義を強調した。また、チーフプロデューサーの森井輝氏は「ディストピアニッポンで繰り広げられる狂乱が視聴者を驚かせるだろう」と期待を寄せている。
原作者の杉元伶一氏は「実写化なんて無謀な話だと思っていたが、Netflixが本気で取り組む姿勢に期待している」と述べ、作画担当の加藤伸吉氏も「漫画から実写ドラマに転生した『国民クイズ』が華やかな姿になることを願っている」とコメントした。
配信開始日などの詳細は未定
現時点で配信開始日や追加キャストの詳細は発表されていない。Netflixによる新たな挑戦がどのような形で視聴者に届けられるのか、続報に期待だ。