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参考人招致の条件巡り与野党が対立、衆院予算委の進行に影響

衆議院予算委員会は19日午前9時から、石破茂首相と関係閣僚が出席し、政治資金問題をテーマに集中審議を行う予定だった。しかし、これに先立って開かれた理事会で、自民党の旧安倍派(清和政策研究会)の会計責任者だった松本淳一郎氏の参考人聴取の開催方法を巡り与野党の協議が折り合わず、委員会の開会が遅れた。

参考人側の要求に野党反発

参考人招致について、松本氏側は「日時や場所を一切明らかにしない」「特定の質問はふさわしくないため避けるべき」といった要求をしていたとされる。これに対し、立憲民主党の安住淳予算委員長は「質問の内容や公表の有無にまで干渉するのは看過できない」と強く批判した。

立憲民主党の山井和則筆頭理事も「時間と場所を非公表にし、質問内容を事前に制限するのは国会に対する冒とく」と述べ、参考人招致のあり方として認められないとの考えを示した。

与党側の対応と交渉の行方

自民党幹部によると、会計責任者側は20日の聴取に応じることが難しい意向を示した。このため、自民党の坂本国会対策委員長は、立憲民主党の笠国会対策委員長に対し、参考人質疑の延期を求めた。しかし、笠氏は「予算案の採決前に参考人質疑を行い、その後に集中審議を行うことを確約してほしい」と主張し、合意には至らなかった。

午前9時半からは自民・立憲両党の国会対策委員長が会談し、衆議院予算委員会の開会に向けた調整を行ったが、折り合いはつかなかった。

参考人招致の経緯

衆議院予算委員会は先月、旧安倍派の会計責任者の参考人招致を野党側の賛成多数で議決した。しかし、本人は当初「出席を控えたい」と回答しており、安住予算委員長や自民党が文書で招致に応じるよう働きかけていた。

その後、松本氏は聴取に応じる意向を示したものの、公開形式は望まないとしたため、与野党間で協議が続けられていた。18日には、安住委員長が20日に東京都内のホテルで非公開形式の聴取を行う見通しを示していたが、最終的な調整は難航している。

衆議院事務局によると、国会以外の場所で参考人招致が行われるのは、1988年の「リクルート事件」でリクルート創業者が招致された際以来2例目となる。