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オダギリジョー主演「夏の砂の上」、7月4日公開 - 「隠し味程度に自分の経験値を注ぎ込めた」

オダギリジョーが主演と共同プロデューサーを務める映画「夏の砂の上」が、7月4日に公開される。配給はアスミック・エースが担当する。

作品概要

本作は松田正隆の戯曲を原作に、「そばかす」の玉田真也が脚本・監督を手がけた。物語は、息子を失った喪失感から人生の時間が止まった主人公・小浦治が、妹の阿佐子が残した姪・優子と共同生活を始めることで動き出す。愛を失った男、愛を見限った女、そして愛を知らない少女が、それぞれの痛みと向き合いながら、小さな希望を見出していく。

主演のオダギリが治を演じ、優子役には高石あかり、治の妻・恵子役に松たか子、阿佐子役に満島ひかりがキャスティングされた。さらに、優子のアルバイト先の先輩・立山役に高橋文哉、治が働いていた造船所の同僚・陣野役に森山直太朗、持田役に光石研が名を連ねる。撮影は物語の舞台となる長崎で行われた。

オダギリジョー「隠し味程度に自分の経験値を注ぎ込めた」

オダギリは脚本を読んだ瞬間、「これは良い作品になる」と直感し、プロデューサーを務めることを決意したという。「松さんや満島さんを始め、信頼できるキャスト、最高のスタッフが共鳴してくれ、真夏の長崎にこの上ない土俵が用意されました。あくまで玉田監督の補佐的な立場を守りつつ、隠し味程度に自分の経験値を注ぎ込めたと思います」と振り返った。

キャスト陣のコメント

高石は「カメラの存在を忘れ、作品と現実の境目が曖昧になるほど熱中できた作品。監督やキャスト、スタッフの皆様に感謝しかありません」と語る。

松は「初めて脚本を読んだとき、映画としての風景が浮かんだ。登場人物は共感を求めない、愛すべき存在。オダギリさんとの共演も楽しかった」と撮影を振り返った。

監督・原作者の思い

玉田監督は「本作は僕にとって特別な作品。長崎の街が映画の一部となることで、演劇では成し得ない映像表現が実現できた」と語る。

原作者の松田は「部屋を見つめる演劇から、街を感じ取る映画へと変わった。長崎の風景と俳優の動きが感情を映し出し、戯曲が映画へと生まれ変わったことを嬉しく思う」とコメントした。