岩手県大船渡市で発生した山林火災は、市全体の約9%に相当するおよそ2900ヘクタールが焼失するという広範囲な被害をもたらした。被害状況としては、少なくとも78棟の建物に損害が確認されており、内閣府の発表によれば、確認可能な範囲で10世帯の住宅が全焼している。これにより、被災者の生活再建が急務となっている。
被災者生活再建支援法の適用
岩手県は、大船渡市に対して「被災者生活再建支援法」の適用を決定した。支援法が適用されると、住宅が損壊した世帯に対し、被害の規模に応じた支援金が支給される仕組みとなる。具体的な支援内容は以下の通りである。
- 全壊、解体、または長期間住居不可能な場合:最大300万円
- 大規模半壊の場合:最大250万円
- 中規模半壊の場合:最大100万円
この火災による適用は、火災での支援法適用としては3例目となる。
政府の対応と今後の方針
石破総理は、大船渡市の山林火災に関し、被災者生活再建支援法の適用について「見通しが立った」と明言し、被災者支援に前向きな姿勢を示した。さらに、激甚災害の指定についても、衛星写真などを活用した早期の査定が可能になるよう、対応を急ぐ考えを示している。これにより、被災地域への迅速かつ的確な支援体制の整備が期待される。
過去の火災事例との比較
本件は、火災による被災者生活再建支援法の適用としては3例目である。過去には、2016年に新潟県糸魚川市で住宅や店舗合わせて約140棟余りに被害が出た火災、2021年に松江市で住宅や山林が焼失し、約30棟余りが被害を受けた事例がある。これらの事例と同様に、本件においても再建支援に対する関心が高まっている。
まとめ
大船渡市における山林火災は、広範囲にわたる被害をもたらしている。岩手県は、被災者生活再建支援法の適用を決定し、被災世帯への最大300万円の支援金の支給を含む再建支援策を講じる方針である。政府も迅速な対応を進める意向を示しており、今後の被災地支援の動向に注目が集まる。