女優の北川景子が、3月8日放送のテレビ朝日系ドラマ「花のれん」で主演を務める。本作は、山崎豊子の直木賞受賞作を原作とし、明治から昭和にかけて興行の世界で成功を収めた女性・河島多加の半生を描く。
産後初の主演作、現場復帰の不安も
第2子出産後、久しぶりの主演作となった本作について、北川は「お芝居の感覚や現場の雰囲気を忘れてしまっているのではないかと不安だったが、スッと戻れて本当に良かった」と安堵の表情を見せた。
北川は山崎豊子作品のファンであり、「古い時代の情景が目に浮かぶように描かれ、人間の複雑な感情がリアルに表現されている点に惹かれる」と語る。演じる多加は、遊び好きな夫(伊藤英明)が残した借金を背負いながらも、寄席小屋を成功させた女性プロデューサーの先駆けとなった人物だ。
子育てと仕事の両立、多加の姿に共感
北川自身も二児の母として育児と仕事を両立しており、多加の姿に共感する部分が多かったという。「私も両立が難しいと感じることがあるが、多加の姿を通じて『まだまだやれることがあるのではないか』と励まされた」と明かした。
また、子どもたちの存在は仕事の原動力になっており、「こうした時代を生き抜いた人々の努力の上に今の生活が成り立っていることを、子どもたちが大きくなったときに知ってもらいたいという思いがある」と語った。
過密なスケジュールでの撮影
本作では、多加の約40年にわたる人生を短期間で撮影する必要があった。北川は「1日の撮影で年齢が大きく変わることもあり、気持ちの切り替えや集中力を保つことが大変だった」と振り返る。
衣装やメイクの変化も役作りに大きく影響した。「若い頃の着物は華やかで自然と気持ちが若くなり、晩年の落ち着いた色合いの着物では年齢を実感できた。姿勢や声のトーンまで変わるのが自分でも分かった」と語った。
一生懸命働く姿を子どもに見せたい
家庭では「疲れた」と独り言をつぶやくこともあるが、仕事では弱音を吐かないようにしているという。子どもたちに対しても、「一生懸命働く姿を見せることで、日頃の離れている時間を少しでも理解してもらいたい」と話した。
「笑う門には福来る」
作品を通じて、北川は「笑うことの大切さ」を改めて感じたという。「人を泣かせたり怒らせることよりも、笑わせることのほうがずっと難しい。でも、笑いは人を前向きにしてくれる」と語り、「この作品を見た人が『面白かったね』と笑い合うきっかけになればうれしい」と締めくくった。
ドラマ「花のれん」は3月8日午後9時からテレビ朝日系で放送される。