NHK総合で4月5日より放送開始となる土曜ドラマ『地震のあとで』の完成試写会が3月13日、NHK放送センターで開催された。主演の橋本愛、岡田将生、唐田えりか、演出の井上剛、制作統括の山本晃久が登壇し、作品への思いや撮影のエピソードを語った。
村上春樹原作の短編をドラマ化
本作は、作家・村上春樹が1995年の阪神淡路大震災後に綴った4つの短編を映像化したもの。震災から30年を迎える今年、全4話の連続ドラマとして放送される。橋本、岡田、唐田は第1話「UFOが釧路に降りる」に出演する。
橋本は東京で暮らしながらも、震災直後に夫の前から姿を消す未名を演じた。岡田はその夫・小村役を務め、唐田は小村が釧路で出会う不思議な女性・シマオを演じる。
橋本愛、岡田将生との再会に感慨
橋本と岡田は2010年公開の映画『告白』以来の共演となる。橋本は「私が中学生の役で、岡田さんが先生という関係性でした。大人になって再会できたのは本当に嬉しかった」と笑顔を見せた。
また、今回の役どころについて「未名はセリフがほとんどない役ですが、佇まいの中にさまざまな思いを込めるように努めました」と振り返った。
岡田も「時を経て夫婦役として共演できたことを光栄に思います」と語り、「橋本さんの演技には、言葉にしない世界観がしっかりと表現されていて、共演できてよかった」と称賛した。
震災との距離感を語り涙
登壇者には「阪神淡路大震災との距離感に変化があったか」との質問が投げかけられた。橋本は「私は1996年生まれで、震災の翌年に生まれました。地震のあとの余波の上に私たちの人生があるのだと改めて気づかされました」と語ると、感極まって涙を流す場面もあった。
唐田えりか、岡田将生との共演を経て「悔しい」
唐田は岡田との共演について「台本では考えていなかった感覚が生まれました」と振り返り、「自分がぶつけたものを岡田さんが超えてきて、それを超えたくても超えられなくて悔しいと感じました」と率直な思いを吐露した。
岡田も「言葉にするのが難しい作品でしたが、一緒に迷いながら撮影できたことが楽しかった」と語った。
『地震のあとで』4月5日スタート
『地震のあとで』は4月5日よりNHK総合で毎週土曜22時から放送される。震災の影響を直接受けなかった人々の視点を通じて、地震と人々の関係を描く本作に注目が集まる。