ドナルド・トランプ前米大統領は2日、新たな輸入関税政策を発表した。この計画では、米国が輸入するすべての製品に最低10%の基本関税を課し、特定の国には追加の税率を適用する。この方針は、第2次世界大戦後に確立された国際貿易体制を大きく変える可能性がある。
「相互関税」の導入 各国への影響
トランプ氏は「相互関税」と称し、米国が「不公正な貿易政策の犠牲になっている」と主張。これに対抗するため、100カ国以上の輸入品に基本関税を課し、約60カ国には追加の関税を適用するとした。
具体的な税率は以下の通り。
- 中国:現在の20%に加え34%を上乗せし、合計54%
- 欧州連合(EU):20%
- 日本:24%
- 台湾:32%
- インド:26%
- イギリス:10%(基本関税のみ)
最も高い関税率が適用されるのは、アフリカ南部のレソト(50%)、ヴェトナム(46%)、カンボジア(49%)などの国々である。
発表の背景とトランプ氏の主張
トランプ氏はホワイトハウスのローズガーデンで演説し、「これは経済的な独立の宣言である」と強調。「アメリカの労働者を守るために、ようやく公正な貿易が実現する」と述べた。
米政府によると、
- 基本関税10%は5日に発動
- 特定の国への追加関税は9日に発動 する予定である。
世界経済への影響と懸念
この関税措置に対し、経済専門家からは懸念の声が相次いでいる。
国際通貨基金(IMF)の元チーフエコノミスト、ケン・ロゴフ氏は「トランプ氏は国際貿易システムに核爆弾を投下した」と指摘。米コーネル大学のグスタヴォ・フローレス=マシアス教授は「物価上昇がすぐに現実化し、国際貿易体制が崩壊しつつある」と述べた。
格付け会社フィッチ・レーティングスの米国経済調査部門トップ、オルー・ソノラ氏は「米国の関税率は1910年の水準に戻る可能性がある」とし、「世界経済にとって深刻な影響を及ぼす」との見方を示している。
市場への影響
この発表を受け、米国の株式市場では時間外取引で株価が急落した。
- アップル:7%以上下落
- アマゾン:6%以上下落
- ウォルマート:4%以上下落
- ナイキ:6%以上下落
今後の展開
トランプ氏はまた、中国からの小包に対する免税措置を5月に終了する命令に署名。さらに、外国製自動車の輸入に対する25%の関税を3日に発動すると発表した。
この新たな関税政策が今後の米国経済および世界経済にどのような影響を及ぼすのか、注目が集まっている。