NEWSの加藤シゲアキが主演を務める舞台「エドモン~『シラノ・ド・ベルジュラック』を書いた男~」が4月7日、東京・PARCO劇場で開幕した。初日の公演に先立ち、フォトコールと開幕前会見が同日昼に行われた。
19世紀末のパリを舞台にした創作秘話を再演
本作は、フランスの劇作家アレクシス・ミシャリクが2016年に初演し、2018年には映画化もされたコメディ作品。1897年のパリを舞台に、劇作家エドモン・ロスタンが代表作「シラノ・ド・ベルジュラック」の上演に向けて奔走する姿を描いている。日本では2023年にマキノノゾミの上演台本・演出、加藤の主演により初演され、今回が再演となる。
加藤は、筆が進まず苦悩する主人公ロスタンを演じる。フォトコールで公開されたのは「シラノ・ド・ベルジュラック」初日公演の様子を描くシーン。幕が上がる直前の混乱や舞台上・舞台裏の対比を、スピーディな場面転換とキャストによる複数役の演じ分けで活気に満ちた描写とした。
加藤「“書けない”というより“時間がない”」
開幕前会見には、加藤をはじめ、共演の村田雄浩、瀧七海、安蘭けい、演出のマキノノゾミが登壇した。加藤は「2年前の初演では物語さながらにカンパニーがドタバタしていた。今回も同じ状況が楽しみであり不安でもあるが、それが逆に面白さとして伝わるのではないか」と語った。
ロスタンが“書けない作家”であるのに対し、作家としても活動する加藤は「書けずに困ることはない。むしろ時間がない。今も締切が近い原稿があり、稽古の合間に執筆している」と多忙な現状を明かした。
さらに、過去に自作小説「染、色」を戯曲化した経験について「自分の書いたセリフを役者の方が演じてくれてすごく楽しかった。またいつか脚本も書きたい」と舞台脚本への意欲も語った。これに対して、共演の村田が「そのときはぜひ出演したい」と応じ、マキノも「役者として出る」と続き、和やかな雰囲気を見せた。
稽古場の裏話と、カンパニーの絆
初参加の村田は「台本のテンポが非常に速く、セリフの量も多い。加藤くんのセリフ量は特に多い」と稽古の大変さを語り、「最初の顔合わせで『地獄へようこそ』と言われた」と笑いを誘った。
マキノは「出演者が苦労すればするほど観客は楽しめる。“出演者の地獄はお客様の天国”」と語り、舞台ならではの演出や体力勝負の場面転換の見どころを強調した。
共演の安蘭けいは「今回は作品全体が分厚くなっている印象」と語り、観客の反応にも期待を寄せた。また、舞台初出演となる瀧七海は「稽古場では共演者が和気あいあいと話す姿を見るのが密かな楽しみだった」と語った。
稽古中のエピソードについて、加藤は「とても体力を使う作品なので、稽古の合間にマッサージやストレッチ器具の話をしたり、誰かがずっと何かを食べていたりする。そうしないと乗り切れない」と明かした。
NEWS増田貴久との交流にも言及
会見では、同時期に東京・東急シアターオーブで公演中のミュージカル「ホリデイ・イン」に出演しているNEWSの増田貴久についても言及があった。加藤は「すぐ近くでやっているので差し入れしたい」と述べ、観劇については「観たいが、疲れて寝てしまうかもしれないので、スケジュールを見直したい」と真摯に答えた。
「無茶ぶりに奮闘する作家の姿に共感を」
最後に加藤は「劇作家が無茶ぶりに翻弄されるコメディだが、現代の多くの人が同じような経験をしているはず。本作は憂さ晴らしにも、励みにもなると思う。『こんなに苦労している人たちがいるんだな』と優越感を持って楽しんでもらえたら」とユーモアを交えてコメントし、「チケット代以上の価値がある」と観劇を呼びかけた。
今後の公演日程
東京公演は4月30日まで。以降、5月9日に大阪・東大阪市文化創造館、17日に福岡・福岡市民ホール、24日に愛知・豊田市民文化会館で上演される。上演時間は約2時間5分。
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