KAT-TUNの元メンバーで歌手・俳優の上田竜也(41)が、6月27日発売の小説『この声が届くまで』(KADOKAWA)で作家デビューを果たすことが、4月13日に明らかになった。
バンド仲間の絆描く青春小説
同作は352ページにわたる青春小説で、バンド「zion(シオン)」のメンバーたちが、憧れの日本武道館を目指して奮闘する姿を描く。学生時代からの仲間である龍、ヒロト、誠一郎、毅志に加え、マネージャーの光や幼馴染の七海といった登場人物たちが、脱退や困難を乗り越えながら団結し、夢に向かって進んでいく物語である。
上田は主人公の「龍」について「なかなか自分の思いが相手に伝わらない、不器用な人間」と説明し、「僕もよく勘違いされます」と自身を重ねた。
執筆のきっかけはメンバー脱退
執筆のきっかけは、KAT-TUNの元メンバー・田口淳之介の脱退が決まった約10年前にさかのぼる。上田は「グループのために自分に何ができるかを考え、物語という形で思いを表現したいと思った」と振り返る。当時は約3分の2を書き上げた段階で事務所に相談したものの、他のことを優先するよう促され、執筆は中断された。
その後、2023年に新会社「STARTO ENTERTAINMENT」が設立され、体制が変化。上田は再び筆を執り、10年越しの作品として完成に至った。
解散決定と執筆再開が重なる
小説の完成が近づいた時期、KAT-TUNの解散が決定。上田は「戸惑い悩みましたが、自分にできることをしようと前を向くよう努めました。僕自身もこの物語に支えられていた」と語った。
グループは2024年3月31日に結成25周年を迎えた日に解散。ソロとして新たな道を歩み始めた上田にとって、本作はその一歩となる。
ファンや仲間へのメッセージを込めて
上田は本作について「ずっと感じてきた仲間のあり方や、実現していきたかった夢が込められている」と語り、「グループ活動をしている人、応援してくれている方々にも読んでもらえたらうれしい」と呼びかけた。
小説の発売に合わせ、7月1日には東京・HMV&BOOKS SHIBUYAで刊行記念トークイベントが予定されている。また、7月2日・3日・6日には東京・大阪・愛知でのお渡し会も開催される。
タレントによる作家活動が広がる
近年、STARTO ENTERTAINMENT所属タレントによる文筆活動が増加している。NEWSの加藤シゲアキは『オルタネート』などが直木賞候補となり、Kis-My-Ft2の宮田俊哉も2023年に小説家デビュー。元KAT-TUNの中丸雄一、King & Princeの高橋海人、SUPER EIGHTの村上信五らも著作を発表しており、上田もその流れに続く形となる。