任期満了に伴う松江市長選挙が4月13日に告示され、現職1人と新人2人のあわせて3人が立候補を届け出た。投開票は4月20日に行われ、即日開票される。

立候補者は3人 現職に新人2人が挑む構図
立候補したのは、届け出順に次の3人である。
- 中澄政彦(なかすみ・まさひこ)氏(37)=無所属・新人、レストラン経営
- 上定昭仁(うえさだ・あきひと)氏(52)=無所属・現職、推薦:自民、公明、国民、元日本政策投資銀行松江事務所長(当選1回)
- 村穂江利子(むらほ・えりこ)氏(56)=共産・新人、共産党島根県副委員長
選挙戦は、2期目を目指す現職の上定氏に対し、中澄氏と村穂氏の2人の新人が挑む三つどもえの構図となった。
中澄氏「情報開示の透明性が不足」
中澄氏は第一声で「今の松江市政では政治の情報開示の透明性が担保されていない」と訴えた。大阪から17年前に松江へ移住し、現在はレストランを経営。松江の「強みと弱みを誰よりも知っている」として、「その強みを生かせば街はもっと良くなる」と主張した。また、現職市長が無所属でありながら政党からの献金を受けている点についても「無所属とは言えない」と批判した。
上定氏「市政の成果に手応え」
上定氏は2期目を目指す立候補にあたり、「子ども医療費の無償化など、新しい施策の成果に手応えを感じている」と語った。4年前の就任以降、コロナ対応や物価高騰、災害への対応に尽力したと振り返りつつ、「起業支援や公共施設の整備に取り組んできた」と実績を強調した。中心市街地の再開発や公共交通の利便性向上、企業誘致などを通じて「松江の未来をさらに切り開きたい」と述べた。
村穂氏「市民の声を聞く市政に」
村穂氏は「上定市政の4年間は冷たい市政だった」と批判。「市長報酬の削減や高層マンション建設への反対、市民の声を聞く市政の実現」を掲げるとともに、「原発を止めて安心・安全な松江をつくる」と訴えた。
政策論争の焦点は市街地活性化や原発の是非
選挙戦では、上定市政の評価をはじめ、中心市街地の空洞化対策や公共交通のあり方、島根原子力発電所の存廃といった市政の重要課題をめぐって論戦が交わされる見通しである。島根原発は県庁所在地に立地する唯一の原発でもあり、市民の関心も高い。
投票は4月20日に行われ、即日開票される予定である。