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高倉健の精神を胸に ― 草彅剛が挑んだリブート版『新幹線大爆破』

1975年の名作が蘇る 主演は草彅剛

Netflix映画『新幹線大爆破』が、1975年に公開された高倉健主演の同名映画をリブートする形で制作され、4月23日より世界独占配信が開始された。本作で主演を務めるのは、2012年の映画『あなたへ』で高倉健と共演経験のある草彅剛である。

オリジナル版では、高倉演じる爆破予告犯・沖田哲男が物語の中心に据えられていたが、リブート版では草彅が演じる車掌・高市が主人公となり、列車内で巻き起こる事件に奔走する姿が描かれる。

「健さんに近づきたい」草彅剛が語る“高倉イズム”

草彅は『あなたへ』での共演をきっかけに、高倉健から多くを学び、その姿勢を今も芝居に生かしているという。「どんな役を演じるときでも、健さんの教えを咀嚼して役に落とし込む作業をしている」と語り、「今回も“高倉イズム”を気持ちのなかに持って臨んだ」と明かした。

一方で、今作では「あまり健さんが降りてこなかった」とし、「これは“自分の力で高市という役を作りなさい”という健さんからのメッセージだったのかもしれない」とも述懐している。

現場で貫く「不機嫌は敵」 先人たちの教えを胸に

草彅は本作の現場でも、「とにかく笑顔」を意識したという。バラエティ番組『笑っていいとも!』での経験や、萩本欽一からの「わからないことがあっても笑っておきなさい」という助言が、今の演技にも影響している。

また、高倉健、大杉漣、つかこうへいといった先人たちからの教えを受けて、「現場では不機嫌にならないこと、周囲を不快にさせないことを大切にしている」と語った。

監督は“鉄道破壊の名手”樋口真嗣 圧巻の音響とリアルな描写

本作のメガホンを取ったのは、『シン・ゴジラ』や平成ガメラシリーズなどで知られる樋口真嗣。“東映版『新幹線大爆破』の大ファン”を公言していた樋口監督が、自らの原体験を基に再構築した。

撮影にはJR東日本が“特別協力”として参加。実際に新幹線を特別ダイヤで貸し切って撮影が行われたほか、車内アナウンスや乗務員の所作まで徹底したリアリティが追求された。

加えて、ドルビーアトモスによる迫力ある音響も大きな見どころであり、評論家からは「邦画アトモスの金字塔」との声も上がっている。

実力派キャストが集結 “熱い現場”を語る草彅

キャストには、尾野真千子、のん、細田佳央太、要潤ら実力派俳優が名を連ね、草彅は「馴染みのある俳優が多く、とても楽しい撮影だった」と振り返る。「熱量を込めて撮影した作品。きっと何かを感じ取ってもらえるはず」と、自信をのぞかせた。

Netflix映画『新幹線大爆破』は、息をもつかせぬスリルと緊張感に満ちた約2時間のタイムサスペンス大作として、今あらためて注目されている。