映画「リンダ リンダ リンダ」が公開から20周年を迎え、4Kデジタルリマスター版として2025年8月22日より全国の劇場でリバイバル上映される。配給・宣伝はビターズ・エンドが担当し、上映劇場には東京・新宿ピカデリーや渋谷シネクイントなどが含まれる。
女子高生バンドの青春を描いた名作、再びスクリーンへ
2005年に公開された本作は、文化祭を目前に控えた女子高生4人がTHE BLUE HEARTSの楽曲をコピーするバンドを結成し、3日後の本番に向けて奮闘する姿を描いた青春映画である。監督は山下敦弘氏で、同氏にとって初の35mmフィルム作品でもあった。
主要キャストには、韓国からの留学生ソン役を務めたぺ・ドゥナ、山田響子役の前田亜季、立花恵役の香椎由宇、白河望役の関根史織(Base Ball Bear)が名を連ねる。4人の自然体の演技と等身大の青春描写が高い評価を受け、日本のみならず海外でも人気を博した。
「リンダ リンダ リンダ 4K」、細部まで修復されたデジタルリマスター版に
今回上映されるのは、当時の35mmフィルムの質感を残しつつ、映像を高精細に修復した4Kデジタルリマスター版である。山下監督は「当時の印象そのままに、新しい感動を与えてくれる」とコメントしており、20年を経ても色あせない作品の魅力が再確認される機会となる。
キャスト・監督からの祝福コメントも到着
リバイバル上映にあたり、主要キャストと山下監督からコメントが寄せられている。
ぺ・ドゥナは「私の20代の出演作品の中で一番好きな作品のひとつ」と語り、香椎由宇は「演技なのか演技じゃないのか錯覚するような撮影だった」と振り返る。前田亜季は「実際の高校生活よりも青春していた日々だった」と述べ、撮影時の記憶が今も鮮明であることを明かした。
関根史織は、当時まだライブハウスで活動を始めたばかりの新人バンドマンであったことを回顧しつつ、「こんなに嬉しいことはあまりないです」と語るなど、映画への思いを深く語った。
山下監督は「“女子高生がブルーハーツのコピーバンドをする”ただそれだけの物語なのに、当時の衝動や欲望が詰まっている。奇跡の一本だと思う」と、自身にとって特別な作品であることを強調した。
海外でも影響を与えた青春映画
「リンダ リンダ リンダ」は公開後、米国などでも話題を呼び、特にアメリカでは本作に触発されて「THE LINDA LINDAS」というガールズバンドが誕生。彼女たちは2022年の「サマー・ソニック」で「リンダ リンダ」を披露し、映画の影響の広がりを示した。
本作の主題歌はTHE BLUE HEARTSの「終わらない歌」。音楽はジェームス・イハが手がけ、松山ケンイチやピエール瀧、甲本雅裕らも出演するなど、当時の若手実力派が多数参加していた。
「もう一度スクリーンで観てほしい」声に応えた再上映
キャスト・監督が口をそろえて語るのは、「多くの人にもう一度観てもらいたい」という願いである。かつて観た人にも、初めて観る人にも、それぞれの「青春」を思い出させる作品として、「リンダ リンダ リンダ」は再び劇場のスクリーンに帰ってくる。