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阿部寛、SNS時代の冤罪テーマに新境地 映画『俺ではない炎上』で逃亡劇に挑む

俳優の阿部寛が、2025年9月26日公開の映画『俺ではない炎上』(山田篤宏監督)に主演することが発表された。原作は、浅倉秋成による同名小説で、SNS上で無実の罪を着せられた男が逃亡を図る様子を描いたサスペンス・ミステリー。現代における「炎上」や「冤罪」のリアルな恐怖を描いた作品で、阿部にとって新たな演技の境地となる。

SNSで“殺人犯”に仕立て上げられた男の逃亡劇

本作の主人公は、大手ハウスメーカーの営業部長・山縣泰介。ある日突然、SNS上で女子大学生殺害事件の犯人として個人情報を晒され、世間から追われる“炎上状態”に陥る。身に覚えのない容疑に混乱しながらも、真相を探りつつ逃亡を続ける山縣の姿を通じて、現代社会に潜む情報の暴走や集団心理の危うさが浮き彫りとなる。

阿部寛「非常にチャレンジングでやりがいある作品」

山縣役を演じる阿部は、「SNSでの無責任な拡散、根拠のない炎上、そして家族との絆の再構築―。これらが1つのドラマとして融合していて、非常にチャレンジングでやりがいのある作品になる」と意欲を語った。2024年6月に還暦を迎えた阿部は、映画『テルマエ・ロマエ』での日本アカデミー賞最優秀主演男優賞受賞をはじめ、多彩なジャンルで存在感を放ち続けている。

原作は話題の作家・浅倉秋成のサスペンス小説

原作は、『六人の噓つきな大学生』の映画化でも知られる浅倉秋成の同名小説。第36回山本周五郎賞候補作でもあり、現代のSNS社会に鋭く切り込む内容で注目を集めた。浅倉は映画化に際し、「きっと主演の方は主人公と同様、とんでもなく苦しい思いをされるに違いないと予感しました。本当に本当に、完成が楽しみ」と期待を寄せた。

山田篤宏監督が阿部の“新たな姿”を引き出す

監督を務めるのは、映画『AWAKE』(2020年)で商業映画デビューを果たした山田篤宏。乃木坂46のミュージックビデオや短編映画でも演出を手掛けてきた山田は、「阿部さんの魅力をどうやって丸裸にしようかと考えて撮影に臨みました」と語っている。

プロデューサーの筒井竜平は、「SNSの炎上や冤罪は誰にでも起こり得る。我々はそれを笑っている場合なのか。明日は我が身」と述べ、作品が持つ社会的なメッセージにも言及した。

2025年9月公開

映画『俺ではない炎上』は、松竹配給で2025年9月26日(金)より全国公開される。SNS社会における“炎上”をテーマに、冤罪の恐怖と人間ドラマを描く本作。阿部寛の新たな代表作となるか注目される。