国民的アイドルグループ・嵐が2026年5月末をもって活動を終了することを、2025年5月6日にファンクラブサイトの動画で発表した。1999年のデビューから25周年を迎える節目に出された決断であり、事実上の解散とみられる。動画には約4年半ぶりに5人全員が登場し、約3分間にわたって思いを語った。
5人そろって活動終了を報告 大野智は芸能界引退の可能性も
動画には櫻井翔(43)、二宮和也(41)、相葉雅紀(42)、松本潤(41)に加え、2020年末より活動休止していた大野智(44)も登場。5人はそろって「皆さんこんにちは、嵐です!」とあいさつし、2026年春頃にコンサートツアーを開催した後、同年5月末をもって活動を終えると発表した。大野の姿が公の場に現れたのは、約4年半ぶりとなる。
関係者によると、大野は嵐の活動終了と同時に芸能界を引退する可能性が高いという。本人も動画内で「活動を再開したその先に、再び休止に入ることは考えられなかった」と語った。
ファンへの感謝を込めたラストツアー 会場はドームや国立が有力
グループは、来春に開催予定のコンサートツアーをもってファンと直接触れ合う最後の機会とする予定。相葉は「活動休止前に有観客でのライブができなかったことへの感謝を伝える場にしたい」と語り、松本は「準備は始まっているが、詳細はまだ話せる段階ではない」とした。櫻井は「20年以上お世話になったスタッフと最後の景色を作りたい」と述べ、感謝の意を示した。
会場については、5大ドームや国立競技場、日産スタジアムのほか、アジアでの開催や配信も視野に入れているとみられる。
解散理由は「不仲」ではなく、5人それぞれの道
担当記者によると、嵐の解散は不仲によるものではなく、活動再開を模索する中でグループ活動を継続するのが難しいとの結論に至ったものとされる。5人はそれぞれ俳優やMCなどの個別活動に力を入れており、事務所も異なるメンバーがいる中で、グループとしての活動維持は困難と判断された。
それでも、ファンとの節目の時間を大切にしたいという思いから、1年の準備期間を設け、最後のツアーを行うという形での「活動終了」となった。
ファンファーストの姿勢貫く ラストツアーは会員優先で開催
ラストツアーは、ファンクラブ会員が優先的に申し込みできるよう新規入会が停止された。また、今回の発表は公式サイトではなく、ファンクラブサイトとグループの公式SNS「X」のみで行われた。こうした姿勢からも、嵐が一貫して「ファンファースト」であることがうかがえる。
今後の活動については、コンテンツの配信が6月中旬に予定されており、二宮は「活動終了までの1年、できる限り多くのコンテンツをお届けします」と述べた。
デビューから約27年、嵐の歩みと終幕
嵐は1999年9月15日に米ハワイで結成を発表し、同年11月3日に「A・RA・SHI」でCDデビュー。代表曲に「Love so sweet」「Happiness」「感謝カンゲキ雨嵐」「カイト」などがある。NHK紅白歌合戦には2009年から12年連続出場し、5年連続で白組司会も務めた。デビュー20周年となった2018~19年には、5大ドームツアーで237万人以上を動員した。
活動終了まで残り約1年。嵐の5人は、その日まで嵐としての道を走り抜く。