2025年5月29日、ロシアのプーチン大統領は首都モスクワのクレムリンで、安倍晋三元総理大臣の妻、昭恵さんと面会した。両者の面会は日ロ関係の過去と今後に関する発言が注目を集めた。
昭恵さん「ロシアは大切な隣国」
昭恵さんは、プーチン大統領がかつて安倍元総理の地元である山口県を訪問したことに触れ、「ロシアは大切な隣国であり、文化的交流はこれからも続けてもらいたい」と語った。日ロ間の文化的なつながりを重視する姿勢を示した形だ。
プーチン大統領「安倍元総理の貢献を忘れない」
プーチン大統領は「安倍元総理大臣がロシアと日本の協力関係の発展に果たした貢献を忘れることはない」と述べたうえで、「彼の夢は両国間の平和条約の締結であり、真剣に取り組んでいた。われわれはともに着実に進展を遂げた」と回顧した。
面会の詳細は不明、厚遇の姿勢も
現時点で、この面会が実現した詳しい経緯は明らかになっていない。ただし、面会後にはプーチン大統領が昭恵さんに、自身の専用車両であるロシア製高級車「アウルス」を提供し、ボリショイ劇場までの移動を支援するなど、厚遇ぶりが印象づけられた。
ボリショイ劇場でのバレエ鑑賞
昭恵さんはその後、モスクワ中心部のボリショイ劇場を訪れ、バレエ「せむしの仔馬」を鑑賞した。午後10時過ぎ、劇場の脇の出口から車に乗り込む姿が確認されたが、現場では厳重な警備が敷かれ、報道陣による接触は許されなかった。
昭恵さんは2024年12月にもアメリカ大統領就任直前のトランプ氏と面会しており、その際に「各国との橋渡し役を担っていきたい」との考えを示していた。今回のロシア訪問も、こうした意向を反映した動きの一環とみられる。