ミュージカル『ナイツ・テイル -騎士物語-』ARENA LIVEが、2025年8月2日から10日まで東京ガーデンシアターで上演される。6月3日、東京都内で製作発表会見が行われ、堂本光一、井上芳雄、音月桂、上白石萌音、大澄賢也、島田歌穂、宮川浩、そして脚本・演出のジョン・ケアード、日本語脚本・歌詞の今井麻緒子が出席した。
本作はシェイクスピアの『二人の貴公子』を原作に2018年に初演され、2020年にコンサート版、2021年に再演された人気作である。今回は6000人規模のアリーナ公演としてスケールアップし、東京フィルハーモニー交響楽団のフルオーケストラに加え、篠笛、尺八、津軽三味線、太鼓奏者が参加する。
現代に響くテーマと進化するカンパニー
ジョン・ケアードは「原作には時代遅れな部分もあるが、戦争の悪、環境保護、女性の地位向上という3つのテーマを現代的に書き直した。この時期に上演できること、大好きな役者たちと再び仕事できることが嬉しい」と語った。
今井麻緒子は「外国作品の翻訳ではなく、ゼロからミュージカルを作るのは初めてだった。思い入れの強い作品なので、再びできるのが嬉しい」とコメント。
堂本光一は「やればやるほど発見がある作品。帝劇が休館中の今、この作品を繋いでいく意味もある。6000人規模の会場でどうなるか楽しみだ」と意気込みを見せた。
井上芳雄は「本編を最後にやった時、セットや衣装を処分して一度お別れした気持ちだったが、コンサートで再会し、今回はアリーナ公演。形を変えて再会が続くのは幸せだ」と述べ、上白石萌音について「初演時はパネルだった萌音ちゃんが、今日は立体でいて嬉しい」と笑いを誘った。
豪華キャストの意気込みと新たな挑戦
音月桂は「初演時にジョンや麻緒子さんが家族のようなカンパニーを作ってくれた。この作品が世界に羽ばたく期待を抱いている」と語り、上白石萌音は「初演時は成人したてで右も左も分からなかったが、先輩たちの背中を追いかけてきた。今回は恋人に見えるよう頑張りたい」と意気込みを語った。
島田歌穂は「ジョンとの稽古でいつも感動と発見がある。今回のスケールでどんなジョンマジックが起きるか楽しみだ」と期待を寄せた。
新キャストの宮川浩は「代打のような気持ちで不安だが、皆さんを頼りに頑張りたい」と挨拶し、カンパニーの温かい笑顔に迎えられた。
大澄賢也は「この作品でジョンと出会い、7年で成長できた。今年は年男で、厄年にいい役がつくと言われる。振付アシスタントとしてもジョンをサポートしたい」と新たなスタートに意欲を見せた。
没入感あふれる舞台とコンサートの魅力
会見では、森の中にいるような舞台美術のイメージ図が公開された。ジョンは「観客に没入感を持たせるため、自然を多く取り入れてほしいとオーダーした。役者にはずっと舞台上にいてほしい」と構想を明かし、会場がざわついた。
堂本は「コロナ禍のコンサートでは制約があったが、今回は全員でステージ上にいて一緒に楽しめるかもしれない」と語り、井上は「思った以上に世界観がわかるセットだ。本編全部やるわけではないですよね?」と笑いを誘った。
ジョンは「劇場ではできない大音量で、音楽と振付、殺陣も全てやる」と明かし、期待の拍手が沸き起こった。上演時間は休憩なしで約2時間30分を予定している。
作品の魅力とキャストの思い出
ジョンは本作の立ち上げを振り返り、「光一さんと芳雄さんが一緒にやりたいという思いから始まった。原作の性差別的な要素をシェイクスピアのために書き直し、ポール・ゴードンの音楽で息を吹き込んだ。彼の生涯でもベストの楽曲ができた」と語った。
堂本は「名誉にこだわる男たちの滑稽さが絶妙。お客さんの笑いから新たな気づきがある」と魅力を挙げ、井上は「真剣にやればやるほど面白い。コメディの楽しさと音楽の力が際立つ」と語った。
音月と上白石はセット転換の美しさを挙げ、島田は和楽器の演奏や堂本と井上のコンビネーションを、大澄は堂本とのダンスを楽しみにしていると述べた。
アリーナ公演への期待と過去のエピソード
6000人規模の公演について、堂本は「前回のコンサートでは声が響くホールで言葉を伝えるのに苦労した。今回はどうなるか立ってみないと分からないが、KinKi Kidsのライブとは違う」と語った。
井上は「ミュージカルをこの規模でやるのは珍しく、貴重な経験になる。たくさんの方に見てもらえるのは嬉しい」と述べ、上白石は「ジョンからいつも、遠い席の方にも届ける気持ちで演じるよう言われる。誰も置いていかないよう意識したい」と姿勢を示した。
また、堂本は『千と千尋の神隠し』の舞台セットの風呂桶に潜入して入ったエピソードを披露。「帝劇で夜中に潜入してスマホの明かりで入っちゃった」と語り、上白石が「写真が送られてきて驚いた」と振り返る一幕もあった。
公演概要とメッセージ
『ナイツ・テイル -騎士物語-』ARENA LIVEは、東京ガーデンシアターで8月2日から10日まで開催される。井上は「まだわからないことだらけだが、新しい体験になるだろう。楽しみに来てほしい」と語り、堂本は「企画を聞いてからワクワクしていた。皆の顔を見てさらに増幅した。作品の世界をまたお届けできるのが楽しみだ」と締めくくった。豪華キャストと和楽器を取り入れた演奏が織りなす新たなコンサートに注目が集まる。