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イラン国会がホルムズ海峡封鎖を承認 日本の原油調達に深刻な影響の恐れ

【2025年6月23日】
イラン国営通信は22日、同国の保守強硬派が多数を占める国会が、ホルムズ海峡の封鎖を求める方針を承認したと報じた。これは、米軍による一連の攻撃に対する対抗措置としての動きとみられる。最終的な決定権は、最高指導者アリ・ハメネイ師および国家最高安全保障委員会(SNSC)に委ねられる。

世界の原油供給の要衝、ホルムズ海峡

ホルムズ海峡はペルシャ湾の出口に位置し、世界で1日に消費される原油の約2割が通過する極めて重要な航路である。特に日本にとっては、原油輸入の9割以上を中東に依存しており、そのうち8割のタンカーが同海峡を通過しているとされる。封鎖が現実化すれば、日本のエネルギー供給体制に重大な影響が及ぶのは避けられない。

「封鎖すべきとの結論に達した」と議員

イラン国会内の強硬派を代表する元革命防衛隊幹部のコウサリ議員は、国会が「ホルムズ海峡を封鎖すべきとの結論に達した」と明言した。イランは過去にも、中東地域での緊張が高まるたびに攻撃艇や機雷を用いた封鎖の可能性を示唆してきた経緯がある。

米国は強く反発、中国に対応を要請

これに対し、米国のルビオ国務長官は22日、米メディアのインタビューで「イランがホルムズ海峡を封鎖すれば、それは経済的な自殺行為だ」と強く非難した。加えて、中国への原油輸送の多くも同海峡を通過していることに触れ、中国政府に対してイランへの影響力を行使するよう呼びかけた。

緊張の行方に注視必要

封鎖が現実となれば、世界の原油市場にも大きな混乱が生じることは必至であり、国際社会にとって重大な関心事である。今後のイラン国内の動向と、最高指導部の最終判断が注目される。