ヘルマン・ヘッセの名作小説『シッダールタ』が、劇作家・長田育恵と演出家・白井晃のタッグにより舞台化される。主演は草彅剛が務め、11月15日から12月27日まで東京・世田谷パブリックシアター、2026年1月に兵庫・兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホールで上演される。音楽は三宅純が担当し、杉野遥亮、瀧内公美、鈴木仁、中沢元紀ら実力派俳優とダンサーたちが共演する。東京公演のチケットは9月21日10:00より一般発売される。
作品の背景とテーマ
『シッダールタ』は、古代インドを舞台に、宗教家が悟りに至るまでの旅を描いたヘッセの代表作。第一次世界大戦期に戦争反対を表明し、東洋思想に傾倒したヘッセの思想が反映されている。本作では、現代の混沌とした世界情勢を背景に、「国家とは」「宗教とは」「他者とは」「自己とは何か」といった問いを投げかけ、観客に希望の光を探るきっかけを提供する。長田育恵は原作に自身の思索を重ね、現代を映す舞台へと昇華させる。
ストーリーの概要
物語は、混沌の中で自分を見失った一人の男(草彅剛)が、友人のデーミアン(鈴木仁)や同僚のエヴァ(瀧内公美)の支えを受け、思索の森に踏み込むところから始まる。彼はシッダールタとなり、バラモン階級の生活に疑問を抱き、ゴーヴィンダ(杉野遥亮)と家を出る。修行の道に疑問を抱いたシッダールタは俗世に下り、カマラー(瀧内公美)との出会いを通じて愛欲と富を経験するが、満たされない苦悩を抱える。やがて渡し守のヴァズデーヴァ(ノゾエ征爾)と出会い、川の流れの中で再会と別れを繰り返しながら、悟りの境地を目指す。
キャストとスタッフのコメント
草彅剛は「『人間とは何か』『地球とは何か』『宇宙とは何か』という壮大なテーマに立ち向かうことにドキドキしている」と意気込みを語り、白井晃との3度目のタッグに「人生のターニングポイントになる」と期待を寄せる。白井は「ヘッセの作品は創作の原点。キャストと共に模索の道を切り拓く」とコメント。杉野遥亮は「哲学的な部分に惹かれ即決した。草彅さんとの共演が楽しみ」と語り、瀧内公美は「カマラーは人間の喜びを教える魅力的な役。迷いの中で光を見つけられる作品にしたい」と述べた。
豪華なキャスト陣
シッダールタの友人ゴーヴィンダ役に杉野遥亮、カマラー役に瀧内公美、シッダールタの息子役に中沢元紀、デーミアン役に鈴木仁、父役に松澤一之、商人カーマスワーミ役に有川マコト、渡し守ヴァズデーヴァ役にノゾエ征爾が名を連ねる。さらに、池岡亮介、山本直寛、斉藤悠、ワタナベケイスケ、中山義紘ら実力派俳優とダンサーたちが脇を固め、舞台を彩る。
公演情報
- 東京公演
- 日程:2025年11月15日(土)~12月27日(土)
- 会場:世田谷パブリックシアター
- 料金:S席12,000円、A席9,000円(全席指定・税込)
- 一般発売:9月21日(日)10:00~
- 問い合わせ:世田谷パブリックシアターセンター 03-5432-1515(10:00~19:00)
- 兵庫公演
- 日程:2026年1月(予定)
- 会場:兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール