アメリカの反応

石破首相の辞任表明について、アメリカでは政界やメディアがさまざまな反応を示した。

トランプ大統領は7日、記者団に対し「驚いた。彼を知っていたし、好きだった。とてもいい人だと感じていた。私たちはとてもうまくやっていた」と述べ、辞任の意向に驚きを示した。

また、アメリカ国務省の報道官は「日米同盟は世界の平和と繁栄の礎であり、かつてないほど強固だ。今後も日本政府との協力を続けていくことを楽しみにしている」とコメントした。

米主要紙も一斉に報道。ウォール・ストリート・ジャーナルは「石破氏の失脚は、世界的に既存政党の支持が新興ポピュリスト勢力に流れる現象の一環だ」と分析。ニューヨーク・タイムズは「政治資金スキャンダルやコメ不足などの課題が背景にある」と指摘し、ワシントン・ポストは「日本の政治に不確実性をもたらす異例の事態だ」と報じた。

米政府は公式な反応を出していないが、外交筋からは「石破政権とトランプ政権は関税交渉を通じて接近していた」との見方が出ており、今後の動向を注視する姿勢が示されている。

中国の反応

中国では石破首相の辞任表明が速報で伝えられ、高い関心が寄せられている。

国営新華社通信は、石破首相が自民党両院議員総会で参院選敗北を陳謝していた経緯を紹介しつつ辞任の意向を速報。多くの中国メディアも同時に報じた。

中国政府からの公式なコメントはないが、石破首相については就任以来「関係改善のパートナー」と見なす前向きな姿勢を示してきた経緯がある。背景には、日本産水産物の一部輸入再開や日中首脳会談での「戦略的互恵関係」推進の確認などがある。

中国では戦後80年の節目を意識した行事が続いており、日中関係は重い空気に包まれているが、次の首相人事に注目が集まっている。

韓国の反応

韓国メディアも一斉に速報を打ち、次期総裁選や日韓関係への影響を大きく報じている。

連合ニュースは、自民党総裁選において昨年の候補者が有力視されていると伝え、東亜日報は「石破首相が辞任すれば直ちに総裁選モードに突入する」と報道。その上で「韓日関係が再び視界不良に陥る可能性がある」と指摘した。

韓国大統領府関係者は「日本の政治に言及するのは適切ではない」と前置きしつつ、「未来志向的かつ安定的な関係を続けたい」とコメントした。

石破首相については、歴史認識で穏健な立場とされ、イ・ジェミョン大統領とも複数回会談してきた経緯がある。そのため韓国の外交筋からは「辞任は惜しい。次の首相も日韓関係に前向きであってほしい」との声が出ている。

国際通信社の報道

ロイター通信やAP通信など海外通信社も一斉に速報で報じた。ロイターは「自民党の分断を避けるために辞任を決意した」とし、辞任表明の背景に党内情勢を位置づけている。