林家ペー「唯一残っている衣装。ちょっと焦げてますが」と自虐漫談炸裂、一門の絆とギター無事の奇跡を語る

タレントの林家ペー(83)が、2025年9月19日に東京・北区の自宅マンションで発生した火災の影響を受けながらも、21日夜に東京・浅草演芸ホールの寄席「9月下席」夜の部に出演した。火災後初の舞台で、焼け残ったピンクの衣装を着用し、肩部分が焦げた姿で漫談を披露。会場を沸かせた。火災では妻の林家パー子(77)が煙を吸って緊急搬送され、飼い猫1匹が犠牲となった。

火災は同日午後、初代林家三平の命日を1日早めた法事で一門が集まる中発生。ペーは電話で連絡を受け、急いで現場へ駆けつけた。パー子は当初、仏壇のろうそくに火をつけようとして引火したと説明していたが、実際の原因は隣接する古いコードの漏電・ショートだったことが判明した。

寄席で「話題の男です」と自虐ネタ 唯一残った衣装で漫談

トリ前に登場したペーは、開口一番「今、話題の男です」と切り出し、笑いを誘った。「生まれてから50年、初めて火事に遭いました。うそです。僕じゃなく、パー子ですからね」と続け、法事中の電話内容を再現。「赤羽警察署から『今、ぺーさんの家が焼けてます』と。タクシーに飛び乗りました」と語った。

自宅前ではパー子が救急車に運ばれており、「パー子は仏壇のろうそくのせいと言ってましたが、実は隣の古いコードが漏電したんです」と真相を明かした。漫談では「私はミュージシャンですから」と自虐し、正面に「余談」と大書されたピンクの衣装を指さして「唯一残っている衣装。ちょっと焦げてますが。3日間洗濯していない状態です」と笑わせた。アニメ「サザエさん」の主題歌を歌い、「サザエさんは公称24歳。みちょぱや橋本環奈ちゃんは25歳ですから、1歳年下。103歳の大正11年生まれで、79歳も年をさばいてる」とさらに会場を沸かせた。最後に「津軽海峡冬景色」のメロディーに「サザエさん」の歌詞を乗せて熱唱し、大きな拍手を浴びた。

出番の30分前、パー子を連れて会場に到着したペーは、「おかげさまで、1着だけ焼け残っていたピンクの衣装を着てきました。ギターも無事でした。撮ってきた写真は半分くらい焼けましたが、これから整理します。大変ご迷惑をおかけしました」と頭を下げた。荷物は九代目林家正蔵の夫人から贈られたピンクのトランクで運び、「本当にありがたいんですけど、重いんですよ」と笑わせた。

パー子、ピンクのナイトキャップ姿で取材対応 「体は元気です」

パー子は火災後初の取材に応じ、ピンクのナイトキャップをかぶり、手にピンクのカメラを持って現れた。「元気で良かった」と声をかけられると、「体は元気です」と答えた。髪の毛が少し焦げたものの、トレードマークの甲高い笑い声を上げ、「着たきりすずめになっちゃったから、今日は林家のおかみさん(海老名香葉子)から靴をいただきました。ご迷惑をかけました」と語った。ペーも取材で「舞台衣装が1枚だけ無事だった。それでスタートできるのは幸せなんです」と述べた。

芸能界から心配の声、チャリティー企画も 一門の絆強調

ペーは「歩いていると、いろいろな方が声をかけて心配してくれる。笑福亭鶴瓶さんから『大丈夫でっか』と電話をいただきました。芸能界始まって以来、数え切れないくらい連絡をもらいました」と感謝を述べた。一門の弟弟子・林家たい平がチャリティー企画を立てていることについては、「ありがたいことです。林家の一門ですからね」と応じた。SNS上では「林家ペーさんの火災、原因が漏電だったとは。ご無事で何より」「漫談で笑わせる姿に元気もらった」といった心配と励ましの声が相次いだ。

火災現場は水浸しで、ペー夫妻は現在「放浪中」。部屋の片付けを進めながら、謝罪の言葉を繰り返した。芸能界の長年の人脈と一門の支えが、夫妻の復興を後押ししている。