女優・仲間由紀恵が主演を務める映画『STEP OUT にーにーのニライカナイ』が3月14日から全国公開される。本作は仲間にとって、出身地・沖縄で本格的に撮影した初の映画となる。
仲間由紀恵の想い「沖縄を題材にした映画に出たかった」
仲間はこれまでもNHKのBS時代劇『テンペスト』や連続テレビ小説『ちむどんどん』など、沖縄に関連する作品に積極的に携わってきた。自身の出身地である沖縄への愛着を語り、「歴史上、さまざまなことがあったけれど、未来には良いことがいっぱい待っていてほしい」と願いを込める。
「沖縄を題材にした映画にはぜひとも出たい」とかねてより考えていた仲間の想いを叶えたのは、堤幸彦監督である。堤監督とは、人気ドラマ『TRICK』シリーズをはじめ、映画『トリック劇場版 ラストステージ』(2014年公開)以来、約10年ぶりのタッグとなった。
仲間は「久しぶりだという感覚はなく、すぐに以前のような空気感で撮影に取り組めた」と振り返る。
『STEP OUT にーにーのニライカナイ』のあらすじ
本作の舞台は、音楽やダンスが暮らしに溶け込む沖縄。物語は、ダンスに夢を抱く少年・照屋踊(てるやよう)が、母・朱音(仲間由紀恵)や妹・舞(まい)とともに過ごす日々を描く。
踊はダンススクールのリサに憧れ、ダンスを始める。朱音は家計を支えるためスナックで懸命に働き、人との関わりが苦手な舞はスクールの前で兄の姿を見つめ続ける。やがて踊はリサとペアを組み、才能を開花させていく。
そんな中、朱音のもとに一本の電話が入り、ある男が訪ねてくる。偶然その男を目撃した踊は、後日テレビで発表されたダンスオーディションの開催を知る。そのオーディションの主催者こそ、朱音を訪ねてきた音楽プロデューサー・HIROKI(橘ケンチ)であった。
ダンスへの情熱と家族との絆を描いた本作は、ニライカナイ(理想郷)とは何かを観客に問いかける作品となっている。
仲間由紀恵が演じる母親・朱音
仲間が演じる朱音は、不器用ながらも「子どもたちとコミュニケーションを取ろうと一生懸命に頑張る母親」だ。撮影では強い風や米軍機の飛行音など、沖縄ならではの環境が映画にリアルに反映されているという。
「今あるものを大事に守り、つないでいくという役割を担う年齢になった」と自身の心境を明かしつつ、「役者としては挑戦者であり続けたい。自分の中にある守りたいものと変わっていきたいもの、その両方を大事にして次に進みたい」と語る。
豪華キャストと制作陣
本作には仲間由紀恵のほか、松田るか(宮城華役)、内田樹(マーク役)、城間やよい(朱音の同僚役)、津嘉山正種(新垣郁夫役)、橘ケンチ(HIROKI役)らが出演する。
監督は堤幸彦が務め、共同監督として平一紘が参加。脚本は谷口純一郎、音楽は遠藤浩二が手がけ、制作プロダクションはPROJECT9、配給はギャガが担当する。
仲間由紀恵が挑んだ念願の沖縄映画『STEP OUT にーにーのニライカナイ』は、3月14日より全国公開される。