女優・菅野美穂と俳優・赤楚衛二が、背筋氏による人気小説『近畿地方のある場所について』の実写映画にダブル主演することが明らかになった。映画は2025年8月8日に全国公開される。
本作は、Web小説サイト「カクヨム」で2023年1月に第1話が投稿されたのを皮切りに話題となり、発行部数35万部を突破。SNSでは「虚構とは思えない」「実在するのでは」といった声が相次ぎ、読者の間でその世界観をめぐる議論が巻き起こった。
あらゆる「コワい」を凝縮した異色ホラー
監督を務めるのは、『ノロイ』『貞子VS伽椰子』『サユリ』などで知られるホラー映画界の鬼才・白石晃士。脚本は白石に加え、背筋氏も脚本協力として参加しており、原作の世界観を深く反映させた作品となっている。
物語は、オカルト雑誌の編集者が突然行方不明になることから始まる。彼は失踪直前、未解決事件の資料や心霊現象にまつわる記事、封印された過去の取材メモなどを調査していたという。同僚の編集者・小沢悠生と、オカルトライターの瀬野千紘は、これらの情報がすべて“近畿地方のある場所”に関係していることを突き止め、事件の核心に迫っていく。
菅野美穂と赤楚衛二が怪奇の核心に迫る
菅野が演じるのは、オカルトライター・瀬野千紘。失踪事件を追う中で“ある場所”へと導かれていく役どころだ。菅野は「原作の表紙から漂う不穏な空気に引き込まれた。普通の小説とは異なる淡々とした描写が真実味を感じさせ、読者自身が違和感を探しながら進む構成に惹かれた」とコメント。「見たことのないような映画になると確信している」とも述べている。
一方、赤楚は雑誌編集者・小沢悠生を演じる。千紘と共に行動しながら、謎の場所に惹かれていく人物である。赤楚は「白石監督のホラー映画は自分の青春だった。原作は自分自身が物語の一部になったような没入感があり、恐怖と同時に真実へ近づく楽しさを感じた」と語った。
公開された予告編には衝撃的な映像も
あわせて公開された予告映像には、失踪した編集者を追う小沢と千紘の姿が映し出される。彼らが入手したビデオ映像には、「未解決の幼女失踪事件」「林間学校での集団ヒステリー」「ベランダに立つ赤い服の女」「心霊スポットに突撃した動画配信者の狂乱」など、多様な怪奇現象が記録されている。
そのすべての情報に、ある一つの共通点が浮かび上がる――“近畿地方のある場所”である。
『近畿地方のある場所について』は、都市伝説、怪談、UMA、オカルトといった「コワい」を濃縮した異色のホラー作品。暑い夏に“ゾクリ”と凍える体験を提供する、新感覚の映画として期待が高まる。