任期満了に伴う松江市長選挙が4月20日に行われ、無所属で現職の上定昭仁氏(52)が再選を果たした。上定氏は自民党、公明党、国民民主党の推薦を受け、他候補に大差をつけての勝利となった。投票率は52.12%で、2005年の合併以降で過去最低を記録した。
上定氏が6万票超で圧勝
開票の結果、上定昭仁氏が6万1756票を獲得し、共産党が推薦した新人の村穂江利子氏(56、党県委員会副委員長)が1万4票、無所属新人でレストラン経営の中澄政彦氏(37)が9433票だった。上定氏は推薦政党の支持層に加え、無党派層からも広く支持を集め、他の2候補を大きく引き離した。
市中心部の活性化や交通再整備を訴え
上定氏は日本政策投資銀行に勤務し、松江事務所長やアメリカ法人の代表などを歴任した経歴を持つ。今回の選挙戦では、JR松江駅周辺の中心市街地の活性化や、縮小が進む公共交通網の再整備などを重点政策として掲げた。
当選後のコメントでは、「松江市は人口減少や少子高齢化など深刻な課題を抱えている。着実に解決していくことで、夢を実現できるまちを育みたい。ふるさとへの恩返しの気持ちを忘れずに、松江の未来を切り開いていく」と述べた。
他候補もそれぞれの主張を展開
共産党推薦の村穂氏は、「市民の命と暮らしを守るという姿勢を貫いて戦えたことは誇り。今後も公約実現に向けて努力する」と敗戦の弁を述べた。中澄氏はレストラン経営の立場から、市民生活の現場感覚に根差した政策提案を行ったが、票は伸びなかった。
投票率は合併以降で最低水準
松江市選挙管理委員会によると、今回の市長選の投票率は52.12%で、前回(2021年)の60.24%を8.12ポイント下回った。これは、2005年の市町村合併以降で最低だった2017年の57.66%をさらに下回る過去最低の数値となった。