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広瀬すずら豪華キャストがカンヌで輝く 『遠い山なみの光』公式上映レポート

第78回カンヌ国際映画祭の「ある視点」部門に正式出品された石川慶監督の映画『遠い山なみの光』(9月5日公開)が、フランス現地時間5月15日、ドビュッシー劇場でワールドプレミアを迎えた。カズオ・イシグロの同名小説を原作とする本作は、広瀬すず、吉田羊、松下洸平、三浦友和、カミラ・アイコが出演し、石川監督とイシグロ氏がカンヌに初参加。公式上映では5分間のスタンディングオベーションが巻き起こり、会場は熱気に包まれた。

レッドカーペットで華やかな登場

上映に先立ち、キャストとスタッフはカンヌのレッドカーペットを歩いた。広瀬すずはルイ・ヴィトンのゴールドタフタ付き黒ドレスで登場し、10年ぶり2度目のカンヌで圧倒的な存在感を示した。吉田羊は鶴が描かれたアンティーク着物で日本らしさを表現。松下洸平はアルマーニ、三浦友和はHUGO BOSSのタキシードで登場し、カミラ・アイコはタキシード風パンツスーツで注目を集めた。石川監督はプラダのスーツ、イシグロ氏はリラックスした装いでフォトコールに応じた。

舞台挨拶での感動とユーモア

公式上映前の舞台挨拶で、石川監督は「イシグロさんやスタッフ、キャスト、観客とこの時間を共有できて嬉しい」と感無量の表情で語った。カズオ・イシグロ氏は、カンヌ映画祭総代表ティエリー・フレモー氏の突然のマイクパスに「台本になかった」と笑いを誘い、「25歳の時に書いた“ひどい本”が原作だが、石川監督の企画で美しい映画になると確信した」とユーモアを交えてスピーチ。会場は拍手と笑顔に包まれた。

広瀬すず、10年ぶりのカンヌを振り返る

広瀬は2015年の『海街diary』以来、10年ぶりのカンヌ参加となった。5分間のスタンディングオベーションに「特別な空間で映画が届いたと実感した。景色が焼きつく瞬間だった」と感動を語った。10年前を振り返り、「当時は何も知らずラッキーな感覚だった。あの時がすごかったと思いながら10年過ごしてきた」と吐露。「カンヌの街全体が映画を盛り上げる空気は特別。今回は思う存分楽しみたい」と笑顔を見せた。

作品概要と初参加者の輝き

『遠い山なみの光』は、ノーベル文学賞受賞作家カズオ・イシグロのデビュー作を映画化。1950年代の長崎と1980年代の英国を舞台に、原爆を経験した悦子(広瀬すず)が、娘ニキ(カミラ・アイコ)との対話を通じて過去を振り返る物語。吉田羊が1980年代の悦子、松下洸平が傷痍軍人の夫・二郎、三浦友和が二郎の父・緒方を演じる。吉田、松下、三浦、カミラは初のカンヌ参加となり、新たなキャリアの節目を飾った。

フォトコールでの注目と今後の期待

フォトコールでは、広瀬のルイ・ヴィトン白ドレス、吉田の赤白着物、松下と三浦のタキシードが世界中のカメラマンの注目を集めた。観客からの「ヒロセ!」「スズー!」の声に広瀬が手を振る場面も。石川監督とイシグロ氏の2ショットも和やかな雰囲気で撮影された。カンヌでの熱狂的な反応を受け、9月5日の日本公開に向け期待が高まっている。

放送概要

  • 作品名: 遠い山なみの光
  • 公開日: 2025年9月5日
  • 監督: 石川慶
  • 原作: カズオ・イシグロ
  • 出演: 広瀬すず、吉田羊、松下洸平、三浦友和、カミラ・アイコ