山田洋次監督の91本目となる映画『TOKYOタクシー』(11月21日全国公開)の追加キャストが発表された。主演の倍賞千恵子、共演の木村拓哉に加え、蒼井優、迫田孝也、優香、中島瑠菜、神野三鈴、イ・ジュニョン、笹野高史が出演する。本作は、2022年に日本でも公開されたフランス映画『パリタクシー』を原作に、昭和から平成、令和と変化する東京を舞台にした感動のヒューマンドラマだ。ムビチケ前売券は7月11日より発売される。
物語の概要とキャストの役割
物語は、タクシー運転手の宇佐美浩二(木村)が、85歳の高野すみれ(倍賞)を東京・柴又から神奈川・葉山の高齢者施設まで送る旅を通じて展開する。すみれの「東京の見納め」として寄り道を依頼する中、彼女の壮絶な過去が明らかになる。蒼井優は若き日のすみれを演じ、すみれの人生に影を落とす結婚相手・小川毅役を迫田孝也が務める。浩二の妻・宇佐美薫役に優香、娘・宇佐美奈菜役に中島瑠菜、すみれの母・高野信子役に神野三鈴、初恋の相手・キム・ヨンギ役にイ・ジュニョン、すみれの司法書士・阿部誠一郎役に笹野高史が名を連ねる。
キャストコメント:山田組の魅力と役への思い
蒼井優は「山田組の現場は優しさと緊張感に満ちた夢のような日々だった」と振り返り、倍賞との再会や迫田との共演が心強かったと語る。迫田は「山田監督との仕事は一瞬一瞬が特別だった」と述べ、ダークな役柄に苦労しつつも蒼井との信頼関係が支えになったと明かす。優香は初の山田組で「緊張の連続だったが、丁寧な演出で演じられた」と話し、浩二の妻役で家族愛を意識したと語る。中島は「木村さんと優香さんが本当の家族のようだった」と感謝し、娘役での明るい演技を心掛けたと述べた。神野は蒼井との親子役に「夢のようだった」と感動を語り、イ・ジュニョンは初の日本映画で「山田監督のディレクションが役を演じやすくした」と振り返る。笹野は「故郷に帰ってきたような温かい日々だった」と、山田組への思い入れを明かした。
東京の過去と人生の奇跡を描く
本作は、山田監督が長年描いてきた日本の人々の営みを、タクシーを通じて映し出す。すみれと浩二の偶然の出会いから始まる心の交流や、東京の変遷とともに描かれる人生の喜びと寂しさが、観客の胸を打つ。キャスト陣は「人の温かさや人生について考えさせられる作品」と口を揃え、劇場での鑑賞を強く推奨している。公開初解禁の本編映像では、タクシー運転手と乗客のユーモラスな掛け合いも垣間見え、期待が高まる。