伊東市議会、田久保真紀市長に不信任決議と刑事告発を全会一致で可決

学歴詐称問題で市政混乱

静岡県伊東市の田久保真紀市長が学歴を「東洋大卒」と偽ったと指摘されている問題で、伊東市議会は9月1日の定例会で、田久保市長に対する不信任決議案と刑事告発に関する議案をいずれも全会一致で可決した。市政の混乱が続く中、市長の進退に注目が集まっている。

刑事告発議案を可決

午前10時24分、市議会は田久保市長が百条委員会で虚偽の発言をしたとして、地方自治法違反容疑で刑事告発する議案を全会一致で可決した。これを受け、市職員が静岡県警伊東署に告発状を提出した。百条委員会は8月29日に「刑事告発すべき」と結論を出し、9月1日の本会議で承認された。

不信任決議も全会一致

午前11時40分、田久保市長の不信任決議案も全会一致で可決された。討論では、市議の佐藤周氏が「市長は保身に終始し、市政を任せることはできない」と述べ、賛成の立場を表明した。市長は採決時、前を向いたまま表情を変えなかった。

市民の辞職要求も高まる

8月27日には、有志市民らが市長の辞職を求める1万1,158人分の署名を提出した。市内外から広く集められた署名で、市民の不信感の強さを示している。

百条委員会でのやり取り

市議会は7月に調査特別委員会(百条委員会)を設置し、学歴問題の事実関係を調べてきた。市長に卒業証書などの書類提出を求めたが、市長は「刑事訴追の可能性がある」として提出を拒否した。8月13日の証人喚問では、市長は「卒業していない事実を知ったのは6月28日」と述べるなど、答弁がかみ合わない場面が目立った。

今後の見通し

地方自治法に基づき、不信任決議を受けた市長は10日以内に議会解散か失職を選択する必要がある。議会を解散した場合は市議選が行われ、失職した場合は市長選が行われる。田久保市長も改めて立候補することは可能である。