首相指名選挙 立憲民主が野党一本化を模索も、維新・国民民主は消極姿勢

立憲民主、野党結束に向け協議

自民党総裁選後に開かれる臨時国会での首相指名選挙をめぐり、野党第1党の立憲民主党が他の野党との協力を模索している。野田佳彦代表は18日、国会内で日本維新の会の藤田文武共同代表と会談し、「様々な分野で協力できるところは協力しましょう」と呼びかけた。その後、国民民主党の玉木雄一郎代表、共産党の田村智子委員長らとも個別に面会した。

与党は過半数割れ 野党結束なら政権交代も

現在、衆院における与党会派の議席は220(自民196、公明24)であり、過半数の233を割り込んでいる。このため、野党が首相指名選挙で候補を一本化すれば、政権交代の可能性も視野に入る状況である。野田氏は投票先を自身に一本化することを念頭に協議を進めており、17日の記者会見では「野党としてどういう政権構想でいくのか、虚心坦懐に議論する」と述べた。

前回は野党分散で与党勝利

昨年11月の首相指名選挙では、石破首相と野田氏による決選投票となった。しかし、維新や国民民主などがそれぞれ自党の党首に投票した結果、84票の無効票が生じ、石破首相の続投につながった。今回も同様の構図となれば、野党一本化は難航する見通しである。

維新・国民民主の慎重姿勢

維新内では「野田氏に投票する選択肢はない」との声が複数の幹部から上がっており、藤田氏も記者会見で「これまで通りのやり方を踏襲する形になる」と述べ、立民との協力に否定的な考えを示した。

国民民主の玉木氏も「自分の名前を書くことが基本」との立場を明確にした上で、「安全保障やエネルギー政策で一致がない政党と政権をともにすることは、不幸な未来を導くだけだ」と述べ、立民との連携を否定した。

展望

立憲民主を中心とする政権発足には維新と国民民主の協力が不可欠であるが、両党ともに慎重姿勢を崩しておらず、野党が一本化して与党に対抗する道筋は見えていない。