キリスト教系TikToker、「世界の終わり」予言外れで失望広がる

南アの男性による「9月23日携挙」予言

南アフリカ出身のジョシュア・ムラケラという人物が、2025年9月23~24日に「携挙(ラプチャー)」が起こると語った。彼は教会で公式な肩書きを持たないが、自らを「幻視を体験した者」と主張し、キリストから再臨の日付を授かったと発言した。この予言は、米国の宗教系YouTube番組を通じて広まり、SNSで拡散された。

TikTokを中心に広がる熱狂

予言はユダヤ教の新年ロシュ・ハシャナと重なり、キリスト教系TikTokerたちが積極的に発信した。「携挙まであと6日」とカウントダウンする動画は200万回以上再生され、一部の投稿者は「夫が取り残される」と懸念して保存食や現金を準備する様子まで公開した。インフルエンサーの中には懐疑派を攻撃する者や、トランプ氏を「反キリスト」と疑う声も見られた。

当日を迎えた信者たちの行動

9月23日、多くの信者が空を見上げ「今日がその日だ」と配信。YouTubeでは「2025年 大脱出」と題したライブ配信も行われ、終末を待ち望む声や不安が交錯した。しかし時間が過ぎても何も起こらず、やがてインフルエンサーたちは沈黙。コメント欄には落胆と皮肉があふれた。

ネット上での皮肉と揶揄

X(旧Twitter)やSNSでは懐疑的な投稿が相次いだ。「水曜日に会おう」という言葉が特に人気の皮肉となり、「ラプチャーが室内で起きたら天井に引っかかるのでは」などの冗談も拡散された。著名人もこれに反応し、社会的な話題となった。

歴史的背景と「大失望」

終末予言が外れることは歴史上繰り返されてきた。代表例としては19世紀のウィリアム・ミラーによる再臨予言があり、信者たちは「大失望(Great Disappointment)」を経験した。今回も同様に、予言を信じた人々は深い落胆に直面している。

今後の見通し

予言が外れた場合、信者たちが新たな日付を設定することは珍しくない。今回の「9月23日携挙」が実現しなかったことで信者が離れる一方、再び修正された予言が示される可能性は高いとみられる。