先週の日経平均株価は1989年12月29日の取り引き時間中に付けた3万8957円44銭を超える歴史的な瞬間を迎えました。
約34年ぶりに高値を更新したしたことで、「失われた30年」と呼ばれる長い停滞から脱し、新たな成長を実現する起点となるのではと考えます。
今回は1989年のバブル期と全く違い、過熱感のない冷静な判断のもとにつけた株価であり、日経平均株価の予想PERは足元で約16倍と、バブル当時の約70倍よりも圧倒的に低く、2021年のドル建ての日経平均最高値に届いていないことから、外国人投資家にはまだ割安に映っているため、この先の更なる株高も期待できそうです。
先週は、米エヌビディアの決算に注目が集まり、3連休前の22日(木)の発表を手掛かりに値がさ株を筆頭に半導体関連銘柄が人気化し、日経平均株価を押し上げました。
生成AIの普及に欠かせない高性能半導体の需要を映したエヌビディアの業況は、製造装置や電子材料をはじめとする周辺分野に影響を与えるため、日本企業の業績も拡大するとみられ、業績相場に更なる勢いがつきそうです。
今週は、大きなイベントはないものの、経済指標では日本の1月全国消費者物価指数(CPI)は注目です。
12月まで2カ月連続で前年比の伸びが鈍化しており、この傾向が続くようだと日銀による金融政策の正常化観測が後退し、円売り圧力が強まる可能性があります。
外国人投資家の日本株買いも1月中旬のような資金流入はないものの、引き続き新高値を更新したことで注目は高く、堅調な相場になりそうです。
さて、日経平均株価のチャート分析にはります。
【日経平均株価(日足チャート)】
※移動平均線は、25日(紫色)、75日(赤色)、200日(青色)を表示
※RSIのパラメータ値は14
日経平均株価は、1月23日の高値37000円近辺のレジスタンスラインが逆に、サポートラインとして機能します。
RSIが買われすぎと判断できる70%を上回り80%近くまで上昇しているため過熱感があるのは否めません。
調整局面などで下落する場合の下値目途としては、25日移動平均線がサポートしますので目安としていいでしょう。
引き続き、25日、75日、200日移動平均線すべてが上向きており強い上昇トレンドにはありますので、引き続き堅調な米国相場が牽引役となり堅調に推移しそうです。
<上昇要因>
・堅調な米国株相場。
・ローソク足が25日、75日、200日移動平均線の上にあり、移動平均線が全て上向いていること
・史上最高値を更新したことで更なる注目が集まり、長期的な目線で節目を抜けたことによるブレイクアウト
<下落要因>
・日本株のPERは過去10年の平均値にあり、割安感は薄れている
・オシレーター系の指標は全てにおいて過熱感を示している