先週は日・米の中銀イベントに注目が集まりました。
まず先に開催された米国のFOMC(米連邦公開市場委員会)では、メンバーの年内の利下げ見通しの中央値が、前回の3回から1回へ引き下げられた半面、来年については3回から4回に増加する動きとなりました。
よって、今年中の利下げは1回がメインシナリオとなったことで、株式市場の期待からは少し離れていってしまったものの、利下げへのステップは着実に踏んでおり、今年から来年にかけて本格化することは今のところ間違いない。
次に、先週金曜日に発表となった日銀の金融政策決定会合は予想通りの現状維持でありました。
一方、国債買い入れについては減額方針が決められたものの、減額幅など具体的な決定は先送りされ、焦点は7月以降に持ち越された。
ただ、植田日銀総裁の会見では、相応の規模の減額と、利上げもあり得るとのフレーズがあったことで、やはり金融引き締めの方向性は強く、株式市場にとっては優しくない展開が見込まれます。
さて、今週は日本にでは注目イベントはないものの、米国においては、多くの経済指標の発表が予定されています。
14日の6月ミシガン大学消費者信頼感指数や17日の6月ニューヨーク連銀製造業景気指数、そして18日の5月小売売上高、5月鉱工業生産、20日の新規失業保険申請件数、6月フィラデルフィア連銀景況指数、5月住宅着工件数、21日の5月中古住宅販売件数など、為替への影響もありそうだ。
日銀の発表を経て、弱含みが想定されますが、米国主導で下値を支えることができるかが今週の焦点となりそうです。
さて、日経平均株価のチャート分析にはります。
【日経平均株価(日足チャート)】
※移動平均線は、25日(紫色)、75日(赤色)、200日(青色)を表示
※RSIのパラメータ値は14
チャート上では1か月以上もの間、方向感のない小動きの展開が続いていたが、25日、75日移動平均線を下回ることで、弱含みの展開が予想されます。
ただし、200日移動平均線は引き続き、右肩上がりで安心して長期的なトレンドにあることは間違いありません。
下落した場合の下値目途は、5月30日の37600円近辺で、次は4月19日に付けた36700円台となります。
25日、75日移動平均線がレジスタンスラインとして働く場合があるため、上値の重い展開となりそうだ。
<上昇要因>
・非常に堅調な米国株相場
・ローソク足が200日移動平均線の上にあり、長期的な上昇トレンドは変わらず
<下落要因>
・米経済指標による米市場の動向
・想定外の為替変動
・日本の過度な長期金利の上昇