俳優の織田裕二が、WOWOWで実写化される北方謙三版「水滸伝」で主演を務めることが発表された。織田は、物語の中心人物である梁山泊(りょうざんぱく)のリーダー・宋江を演じる。彼が率いる英傑たちが腐敗した国家を打倒する壮大な歴史物語が、全19巻に及ぶ大作「水滸伝」の初の完全映像化で描かれる。
長期間の撮影に挑む織田裕二
今回の撮影は、織田にとっても新たな挑戦となる。通常の連続ドラマが3カ月程度の撮影期間であるのに対し、「水滸伝」の撮影はそれを大幅に超える長期にわたる見込みだ。織田はこの撮影について「これほどの長期間の撮影は聞いたことも、もちろんやったこともありません」と語り、未知の領域に挑む覚悟を見せた。また、「この歳で、このような壮大な作品と出会えることに感謝している。撮影を通じて、自分自身の人生観が揺さぶられるような経験を期待している」とコメントしている。
宋江役への熱意
織田が演じる宋江は、武力に頼らず誠実な言葉とカリスマ性で仲間を束ね、梁山泊のリーダーとして同志たちを導く役どころだ。彼は正義感が強く、国家の腐敗に立ち向かうために革命運動を率いるが、その過程で多くの苦難に直面する。織田は、この役について「漢(おとこ)を体現するキャラクターに挑むことは、自分にとっても大きな意義がある」と意欲を示している。
監督・若松節朗との再タッグ
今回のドラマで監督を務める若松節朗とは、織田にとって「振り返れば奴がいる」(1993年)や「ホワイトアウト」(2000年)などのヒット作でタッグを組んできた長い付き合いがある。織田は「若松監督との再タッグは非常に心強い。彼と共に作品に取り組むことで、これまでにない新たな自分を引き出せると信じている」と期待を寄せている。
キャリアを振り返る中での挑戦
織田はこれまで数多くの話題作に出演してきたが、今回の「水滸伝」は彼にとっても特別な挑戦となる。多くの困難が予想される長期間の撮影を控え、織田は「この閉塞感の続く日本に『水滸伝』は新たな風を吹き込むだろう」と作品の持つメッセージ性にも注目しているようだ。