政治資金改革をめぐり、立憲民主党、社民党、公明党、国民民主党の4党は10日、衆議院に政治資金の透明性向上と監視機関の設置を目指す法案を共同で提出した。各党は、政治資金収支報告書の透明性向上や罰則強化、第三者機関による監視を提案しており、議論が進む中で、政治家への信頼回復を狙いとしている。
立憲民主党と社民党の法案
立憲民主党と社民党が共同で提出した法案では、政治資金収支報告書に不記載や虚偽記載があった場合の罰則を強化する内容が盛り込まれている。不記載額が150万円を超える場合、過失でも議員の公民権停止が対象となる。また、全ての報告書をインターネットで一元的に公開し、透明性を高めることを目指す。
さらに、第三者機関として政治資金をチェックする機関を国会に設置し、違反があった場合に勧告を行うことを提案している。立憲民主党の大串代表代行は記者団に対し、「議員の責任の強化は残された大きな問題であり、しっかり議論していきたい」と述べ、審議を見守る考えを示した。
公明党と国民民主党の法案
公明党と国民民主党も、第三者機関の設置を目指す法案を衆議院に提出した。両党は「政治資金監視委員会」を国会内に設置し、政治団体の収支報告書を監視することを提案している。委員会は、不記載や虚偽記載があれば、訂正措置を講じることができる権限を持ち、衆参両院の議員で構成される協議会が国政調査を実施する規定も含まれている。
公明党の中川康洋衆議院議員は、「政治資金の透明性の確保や不正抑止のために、第三者機関の設置が大事だと一貫して主張してきた」と述べ、国民民主党との連携を強調した。
また、国民民主党は、政治資金規正法違反があった場合、政党交付金の支給を停止する制度を新たに設ける法案も単独で提出しており、政治資金に関する不正を抑止するための追加的措置が検討されている。
今後の議論と法案成立に向けて
各党は、政治資金の監視強化と不正防止を目指し、共同で法案提出を行った。国民民主党の古川代表代行は、「与野党を超えて信頼回復を目指す第一歩」と述べ、政治改革特別委員会での議論を促進させる意向を示した。