衆議院予算委員会で12日、石破茂首相が出席し、「内外の諸課題」をテーマに集中審議が行われた。この中で、立憲民主党が提起した予算審議における情報公開のあり方について、石破首相は「可能なかぎり情報を公開する必要がある」との認識を示し、政府内で対応を検討する考えを述べた。
立憲民主党、補正予算修正案を提出
立憲民主党は11日、今年度の補正予算案の修正案を提出した。これには政府が計上した「基金」への拠出を減額する内容が含まれている。自民党の小林鷹之元経済安全保障担当大臣はこれに対し、「政府案の計上額は資金ニーズを踏まえて策定されたものだ。修正案はその内容を精査した上でのものか」と質問した。
これに応じた立憲民主党の階猛氏は、政府担当者がエビデンスの提示を拒んだため客観的な数値を基に判断したと説明。「少数与党になった以上、与党は情報を独占して予算を組み立てるのをやめるべきだ」と批判した。
野党、情報共有の拡充を要求
立憲民主党の城井崇氏は、「与党は事前審査で内容を把握できるが、野党には限られた数字や説明しか提供されない。熟議と公開のため、与党並みの情報共有を約束すべきだ」と主張。これに対し、石破首相は「審議を充実させるため、情報公開は必要であり、政府内でよく検討する」と応じた。
年収103万円の壁見直し、3党合意を受けた対応
国民民主党の浅野哲氏は、いわゆる「年収103万円の壁」の見直しについて、自民・公明両党と国民民主党の3党合意に基づき、政府が責任を持って対応する意思を問うた。石破首相は「合意は非常に重要であり、今後の議論を踏まえ誠実に対応する」と述べた。また、必要な情報の提供を含め、政府として最大限のサポートを行う方針を示した。
今回の集中審議では、予算審議の透明性や情報共有のあり方が議論の焦点となった。石破首相は与野党間での情報共有の重要性を認め、具体的な対応策の検討を約束した。