横浜市長選挙が2025年8月3日に投開票される。7月27日に告示され、6人の候補者が立候補した。それぞれの経歴と政策を紹介する。310万を超える有権者を擁する横浜の未来を決める選挙戦が始まった。
山中竹春(52歳、元横浜市大教授、現市長)
現市長の山中竹春氏は、元横浜市大教授としてデータ分析を専門に医療制度の研究に従事。「データ分析で持続可能な横浜を」と市長に就任した。1期目では中学校の全員給食や中学3年までの医療費無償化を実現し、子育て世代の転入増に繋げたと自負する。2期目では18歳までの医療費無償化を公約に掲げる。「市民の多様性が横浜の魅力。提案を集約するのが私の使命」と語る。週末は海沿いのジョギングや猫との時間でリフレッシュする。
高橋徳美(56歳、元市議)
鹿児島県徳之島町出身の高橋徳美氏は、医療法人「徳洲会」創設者を両親が支持する環境で育つ。2011年に自民党公認で横浜市議に初当選し、2023年には金沢区でトップ当選。現市政の給食デリバリー方式に反対し、「自校調理の拡大」を主張。自民党を離党して立候補した。「超おせっかい」を自認し、女性支援団体の理事長や2級建築士、柔道2段の資格を持つ行動派だ。
田中康夫(69歳、元長野県知事)
作家出身の田中康夫氏は、長野県知事時代に脱ダム宣言や入札改革で財政再建を進めたが、反発を招き退任。「地方から国を変える」を掲げ、横浜を「開国の地から改国」の舞台に選んだ。前回選挙では19万票余りを獲得したが4位に終わる。車座集会を100回以上開催し、「対話力」を武器に市民との信頼を築く。「砂漠に水をまく」地道な活動で支持を広げる。
斉藤直明(60歳、元自動車会社員)
幕末に横浜で製茶商を営んだ高祖父の存在を知り、「地域のために働く」と決意した斉藤直明氏。自動車メーカーを定年退職後、政策を学び立候補。「ヨコハマ、アゲイン。」をスラガンに、新本牧ふ頭整備や横浜マラソンのベイブリッジコース化、教育委員会の隠蔽体質改革を提案。地元喫茶店の仲間と共に選挙戦を戦い、「ふるさとに恩返ししたい」と語る。
小山正武(76歳、青果卸会社会長)
新潟出身の小山正武氏は、28歳で青果卸売業を始め48年間事業を拡大。各種団体の役員を歴任し、「商人感覚で横浜の経済を回す」と立候補。地元企業への事業発注や法人市民税率引き上げで財源を確保し、市長退職金や敬老パスの市民負担、横浜みどり税の廃止を公約。学校の体育館を厨房や防災拠点に活用する案や、第3子以降への100万円応援金を提案する。「宝積」の精神で人に尽くす。
福山敦士(36歳、球団オーナー)
起業家で球団オーナーの福山敦士氏は、市の財政危機を背景に立候補。「経営者経験を生かし、稼ぐ力で市を健全化する」と語る。広告や命名権で財源を確保する「営業本部」設立や、ビジネス教育の導入、自校調理の段階的導入を掲げる。横浜の市立中学から慶応義塾高校・大学に進み、母子家庭補助に支えられた経験から「恩返し」を目指す。3人の子どもの未来を見据える。
6候補は子育て支援や経済活性化、行政改革など多角的な視点で横浜の課題に挑む。8月3日の投開票で市民の選択が注目される。