台湾の外交部(外務省に相当)は16日、在デンマーク日本大使館が主催した天皇誕生日祝賀レセプションで、中国大使が台湾代表の退席を要求したが、日本側が拒否したと発表した。外交部は「国際的な活動で求められる礼節を無視した行為だ」と中国側を非難した。
デンマーク紙が報道、外交部が認める
この件は14日にデンマーク紙が報じ、外交部が16日の記者会見で事実を確認した。
中国大使が退席を要求
外交部などによると、2月に日本大使公邸で開かれたレセプションには、デンマーク政府関係者やビジネス界、各国外交団など約200人が出席していた。
会場で中国の王雪峰大使は、駐デンマーク台北代表処の鄭栄俊代表(大使に相当)が出席しているのを確認し、日本側に退席を求めた。日本側が拒否すると、王大使は鄭氏を指さして不満を示し、そのまま会場を離れたという。
日本大使館「招待は当館の判断」
在デンマーク日本大使館は毎日新聞の取材に対し、宇山秀樹大使が会場内で王大使から抗議を受けたが、受け入れなかったと説明した。同館は台北代表処を「経済文化団体の一つ」として招待しており、過去にも同様の招待を行ってきたという。宇山大使は「主権国家として、誰を招くかは当館の判断だ」と述べた。
台湾とデンマーク・日本の関係
台湾はデンマークや日本と正式な外交関係を有していないが、現地の台北代表処が実務関係を担っている。今回の一件は、外交上の立場をめぐる中国と台湾の対立が、第三国の場にも影響を及ぼした形である。