トランプ米大統領、10月下旬に来日調整 新首相と初会談の可能性

日米両政府が調整入り

日米両政府は、トランプ米大統領が10月下旬に来日する方向で調整している。複数の日本政府関係者が25日に明らかにした。実現すれば、石破首相の後任となる新首相との初会談となる見通しである。

会談の焦点は対中方針と同盟強化

会談では、米中首脳会談を控えるトランプ氏と対中方針のすり合わせを行うほか、日米同盟の強化や日米韓の安全保障協力が議論される可能性が高い。さらに、日米関税合意の履行や経済安全保障協力、北朝鮮情勢への対応も取り上げられる見込みだ。

APEC前に東京訪問か

トランプ氏は10月31日から韓国・慶州で開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に出席予定であり、その前に東京に立ち寄る方向で調整が進められている。関係者によれば、滞在は1~2泊となる可能性がある。

日本側の姿勢

林官房長官は25日の記者会見で来日が未定であるとしながらも、「日本の外交・安全保障政策の基軸である日米同盟の重要性は今後も変わらない」と強調した。

新首相誕生と訪日の行方

自民党総裁選は10月4日に投開票が行われ、臨時国会での首相指名を経て新首相が誕生する。日本の新首相は就任後、早期に訪米するのが通例だが、今回はトランプ氏のAPEC出席に合わせ、日本側が来日を働きかけてきた経緯がある。
ただし、新首相の選出が遅れるなど政治状況が混乱した場合、来日が見送られる可能性も残されている。

米中首脳会談をにらみ調整

トランプ氏はAPECに合わせ、中国の習近平国家主席との会談を調整中である。日本政府はその前に米国と中国に関する認識を共有したい考えであり、米側も新内閣との関係強化を目指している。これに関連し、岡野正敬国家安全保障局長は24日、ニューヨークでルビオ国務長官(国家安全保障担当大統領補佐官兼務)と会談し、トランプ氏の来日についても協議した。

6年ぶりの来日に

トランプ氏の来日が実現すれば、2019年5月に令和初の国賓として訪れて以来、6年ぶりとなる。今年1月の第2次政権発足後では初の訪日である。