スピッツの名曲「楓」を原案・主題歌にした映画『楓』が、12月19日より全国ロードショーされる。監督は『世界の中心で、愛をさけぶ』の行定勲氏、脚本は髙橋泉氏、音楽はYaffle氏が担当。双子の弟・恵を失った兄・涼(福士蒼汰)が、恵の恋人・亜子(福原遥)の前で弟のふりをしたことから始まる切ないラブストーリーだ。福士が涼と恵の2役を演じ、福原が亜子を務める。共演には宮沢氷魚、石井杏奈、宮近海斗(Travis Japan)、大塚寧々、加藤雅也ら。東映とアスミック・エースの配給で、YouTubeではキャストインタビュー特別映像(楽曲編)が公開されている。
キャストのコメント
公開された映像で、福士蒼汰は「スピッツさんの『楓』という曲が原案になっているので、その想いを作品に注入して頑張りたいと思っています」と語り、楽曲の感情を映画に反映させる意欲を示した。福原遥は「こんなに心がジェットコースターのように動かされる作品はなかなかない」「(『楓』は)つらい時、悲しい時、そっと寄り添ってくださる曲」と称賛。宮沢氷魚は「高校生、大学生、社会人になってから、だんだん曲の深みが分かってより好きになりました」と世代を超えた魅力を、石井杏奈は「スピッツさんの優しい世界観が映画に反映されていて、人間味あふれる素敵なお話」と感想を述べた。宮近海斗は「歌から広がった物語を映像化すると聞いた瞬間に、この作品に関わりたいと思いました。断る選択肢はなかった」と音楽への敬意をにじませた。行定監督は「曲は透き通っていて心に残るのに、詩の世界は奥行きがある。映画もそうあるべき」と制作の思いを明かした。
スピッツ草野マサムネのコメント
スピッツのボーカル・草野マサムネは映画について「痛みを伴いつつも美しい再生の物語でした。登場人物一人一人に感情移入しながら青春を追体験できました。元々はアルバムの中の『しっとりした雰囲気担当の一曲』に過ぎなかった『楓』に、新たに存在意義を与えていただいて感激です!」とコメントを寄せた。1998年リリースの「楓」は8thアルバム『フェイクファー』収録曲で、シングルカットされ世代を超えて愛される名曲。別れと再生をテーマにした歌詞が、映画のストーリーと重なる。
作品の魅力と期待
映画は、喪失と再生のテーマを軸に、登場人物の複雑な感情を描く。福士は「映画と『楓』を比べると作品が深まる」と、楽曲との連動を強調。X(旧Twitter)では「#映画楓」「#スピッツ楓」のハッシュタグが活発で、ファンは「福士さんの2役が楽しみ」「スピッツの名曲がどう描かれるか」と期待を寄せている。公式サイトでは本ビジュアルと場面写真が公開され、青春の切なさを予感させる。スピッツデビュー34年目での初映画化は、音楽と映像の新たな融合として注目を集めるだろう。




