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2025年参議院選挙は、自民・公明の与党が大敗し、国民民主党と参政党が議席を伸ばす結果となった。比例代表票や出口調査のデータ分析からは、有権者層の変化や既成政党の地盤崩れ、新興勢力の台頭が鮮明になった。

国民民主が第2党、参政が立憲を上回る

比例代表では国民民主党が762万票を獲得し、自民党(1280万票)に次ぐ第2党となった。得票数は前回の2倍を超えた。一方、自民党は前回比で500万票以上減らし、得票率は34%から21%へと10ポイント以上下落。議席数も改選より7減の12にとどまった。参政党は立憲民主党の得票を上回り、第3党に躍進した。

組織票頼みの政党に陰り

長期的な比例代表票の推移では、公明党と共産党の得票減少が顕著である。公明党は現行制度下で初めて600万票を割り込み、520万票まで減少。共産党も200万票台に落ち込み、ピーク時(2016年)の半分以下となった。組織票の縮小が進む中、新たな支持層獲得が急務となっている。

保守地盤にも変化

自民党の比例票は山口県で19.8ポイント、石川県で17.6ポイント、広島県で17.1ポイント減少するなど、従来の保守地盤でも支持が低下。参政党や国民民主党がこれらの地域で支持を伸ばし、自民の基盤を切り崩す構図が明らかになった。

世代別支持に特徴

出口調査によれば、国民民主党は10・20代でそれぞれ2割半ばの支持を集め、世代別トップとなった。参政党は10・20代に加え、30・40代でも2割前後の支持を獲得。50代でも一定の支持を得た。自民や立憲は主に60代以上の支持に依存する傾向が続く。

性別による支持傾向

国民民主党と参政党は男性支持が女性より多く、男性票が躍進を支えた。公明党と共産党は女性票が多く、特に公明は女性7%・男性4%、共産は女性5%・男性3%と差があった。維新や社民、チームみらいも女性支持が比較的高かった。