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SixTONES田中樹、初単独主演舞台『ぼくらの七日間戦争2025』開幕 中学生役に「見えないでしょ?」と笑顔で挑戦

SixTONESの田中樹が初単独主演を務める舞台『ぼくらの七日間戦争2025』が、8月24日に東京・東京建物 Brillia HALLで開幕した。原作は宗田理による1985年のベストセラー小説『ぼくらの七日間戦争』(角川文庫・角川つばさ文庫刊)で、累計発行部数2000万部を超える「ぼくら」シリーズの代表作である。1988年に実写映画化、2019年にアニメ映画化され、2025年に刊行40周年を迎えた本作は、中学1年生たちが大人による管理教育に反発し、廃工場に立てこもって7日間の「大人への反乱」を繰り広げる青春群像劇である。仲間との絆や信念、大人との対立を通じて成長する姿が描かれ、痛烈な社会メッセージと冒険心が共存する。

公演詳細とキャスト

舞台は、脚本・演出を伊勢直弘が手がけ、東京(8月24日~9月2日)、大阪(9月10日~18日)、京都(9月24日~28日)、愛知(10月2日~3日)、熊本(10月24日~28日)、東京凱旋公演(11月7日~9日)の5都市で上演される。田中はリーダー格の菊地英治役を演じ、共演者に上遠野太洸(相原徹役)、佐野ひなこ(中山ひとみ役)、中山莉子・二瓶有加(橋口純子役/Wキャスト)、島ゆいか(堀場久美子役)、山崎裕太・金子昇(酒井敦役/Wキャスト)、緒月遠麻、月影瞳、大林素子、伊藤かずえ・比企理恵(菊地詩乃役/Wキャスト)、遠山俊也、風間トオル・野々村真(瀬川卓蔵役/Wキャスト)ら実力派が名を連ねる。特に、田中の実兄・田中彪が安永宏役で出演し、初の兄弟共演が話題を呼んでいる。

ゲネプロ取材会の様子

8月23日に行われたゲネプロ前取材会では、田中、上遠野、佐野が登壇。田中は「中学生のリーダー役だが、皆さんに助けられながら甘えたい」と笑顔で意気込みを語った。初単独主演のプレッシャーについて、「最初はあったが、キャリア豊富な共演者のおかげで気が楽。観客は『座長』として見るのでプレッシャーはある」と冗談交じりにコメント。30歳で中学生役を演じる難しさには、「見えないでしょ?」と開き直りつつ、「中学生に見えるかは演出家に任せる」と述べた。役作りでは「髪を切ったくらい。自分でセットしたらオールバックにする」と前髪の苦労を明かし、笑いを誘った。

上遠野は「田中くんは素直で子供らしい眩しさのある演技。面白いポイントでしっかり笑ってくれるので、稽古場がやりやすかった」と絶賛。佐野は「田中さんの自然体な演技と広い視野が素晴らしい」と称賛し、田中は上遠野を「縁の下の力持ち」、佐野を「最初は人見知りだったがフランクで安心感がある」と評した。両者との良好な関係性を強調し、「飲みに行ったりLINEグループはないけど、なんか仲いい」と語った。

役作りと中学生役の挑戦

30代の3人が中学生を演じる挑戦について、上遠野は「中学生らしさを強く意識せず、人間らしさを信じて演じた」と説明。佐野は「30歳という年齢を活かし、見えなさがポイント」と語り、田中は「意識しすぎると説得力が下がる」と演出家に委ねる姿勢を示した。田中の前髪を下ろしたスタイルには「すっごい邪魔」と苦笑しつつ、「若く見えるため」と受け入れた。上遠野は「舞台が始まれば田中のかわいらしい英治に驚く」と太鼓判を押し、期待を高めた。

兄弟共演と田中の俳優としての成長

田中と実兄・田中彪の初共演が注目を集める。田中彪はXで「主演からX用に写真撮ろーと言ってきてくれた」と2ショットを公開し、稽古中の仲睦まじい様子を伝えた。田中は、過去に『単身花日』(2023年、テレビ朝日系)、『ACMA:GAME』(2024年、日本テレビ系)、『連続ドラマW I, KILL』(2024年、WOWOW)で多彩な役柄を演じ、鋭い感性とギャップのある演技で評価されてきた。本作では、リーダーシップと子供らしさを兼ね備えた菊地英治役で新たな挑戦に挑む。Real Soundは「田中の演技は儚く美しい」と評し、舞台での成長に期待を寄せた。

公演の意義と反響

本作は、2020年と2022年に続き3度目の舞台化で、刊行40周年を記念した完全リニューアル版である。Xでは「#ぼくステ2025」がトレンド入りし、「田中樹の座長姿が楽しみ」「兄弟共演がエモい」との声が上がる。公式Xは、聴覚障がい者向けに台本タブレットの貸し出しを発表し、アクセシビリティにも配慮。公演は11月までの全国ツアーを経て東京凱旋公演で締めくくられる。青春の熱量と社会へのメッセージを届ける本作は、田中の新たな一面とキャストの化学反応で観客を魅了するだろう。


(C) 宗田理/KADOKAWA/舞台「ぼくらの七日間戦争2025」製作委員会