「人々が言うほど簡単じゃない」 BINIのコーチェラ2026出演について、所属事務所が語る「戦略」とは

フィリピンの人気ガールズグループBINIが、2026年のCoachella Valley Music and Arts Festival(コーチェラ・フェスティバル)に出演する。Star Magicの責任者Lauren Dyogiが、9月28日に放送されたKC After Hoursポッドキャストで、この招待の経緯を明かした。BINIは4月10日と17日に、米カリフォルニア州インディオのEmpire Polo Clubで公演を行う予定だ。これにより、BINIはフィリピン人グループとして史上初のCoachellaステージ登壇を果たす。ラインナップにはSabrina Carpenter、Justin Bieber、Karol Gら世界的アーティストが名を連ねる。

Coachellaは毎年4月に開催される音楽とアートの祭典で、ロック、ヒップホップ、エレクトロニックダンスミュージックなどのジャンルを網羅。世界最大級のフェスティバルとして、数万人の観客を集め、音楽業界のトレンドを左右する存在だ。BINIの出演は、P-Pop(フィリピン・ポップ)のグローバル化を象徴する出来事として注目を集めている。

ワールドツアーがもたらした国際的注目

Dyogiによると、BINIの最近のワールドツアーがCoachella招待の鍵となった。ツアーはドバイ、ロサンゼルス、サンフランシスコなどで大規模公演を成功させ、国際プロモーターの目に留まったという。「ワールドツアーは投資だった。収益は出なかったが、リスクを取った。CLK(ABS-CBN CEOのCarlo Katigbak)とTita Cory(Vidanes)のビジョンで実現した」とDyogiは振り返る。地元での高額な機会を1ヶ月間放棄する賭けだったが、観客動員力が証明され、プロモーターのLive NationやAll Things Liveが感銘を受けた。

ABS-CBNは国際コンサルタントを雇用し、海外エージェントを通じてアーティストのグローバル展開を推進。Dyogiは「国際フェスティバルへの招待が海外進出の道。エージェントが非フィリピン人プロモーターに繋げ、印象づけることが重要だった」と説明。BINIのツアー成功が、フェスティバル出演への橋渡しとなった。

買収疑惑の否定と準備の必要性

Dyogiは、ABS-CBNがCoachellaに出演料を支払ったとの噂を否定した。「人々がそう言っているが、真実ではない」と断言。初のワールドツアー後、Dyogi自身も「これで十分か疑問だった。もう2回のツアーでトラクションを獲得する必要があると思っていた」と語る。予想外の早い招待に驚きを隠せなかった様子だ。

Coachellaが近づく中、Dyogiは「BINIをフェスティバルに備えさせる必要がある」と述べ、準備の重要性を強調。BINIのメンバーは、5年前のリーダーJhoanna RoblesのインタビューでCoachella出演を夢見ており、その実現がグループのモチベーションを高めている。

BINIの今とグローバル展開の展望

BINIは8人組(Jhoanna、Aiah、Colet、Maloi、Gwen、Stacey、Mikha、Sheena)で、2024年にBillboard PhilippinesのグローバルNo.1アーティストに選出。Biniverse World Tourの成功後、コスメティックラインの発売や米ツアーも展開し、多角的な活動を加速させている。9月16日のファンイベントでは、Coachella出演を祝い、「BINIChella」のチャントが響いた。

この出演は、フィリピン音楽の国際的認知を高め、BINIの「誠実さと親しみやすさ」を世界に発信する機会となる。Dyogiの戦略が実を結び、P-Popの未来を照らす一歩だ。

関連リンク


(C) ABS-CBN / Star Music