フィリピン初の「Filipino Music Awards(FMA)」が10月19日、SM Mall of Asia Arenaで開催され、OPM(Original Pilipino Music)と呼ばれるフィリピン独自のポップミュージックを中心に、ポップ、R&B、ヒップホップ、ロックなどのジャンルで優秀作品を表彰した。主催はModern Media Group Inc.で、Billboard PhilippinesやRolling Stone Philippinesなどのメディアがバックアップ。司会はJoey Mead King、Michael Sager、Elijah Canlasが務め、500人以上のアーティストや業界関係者、ファンが集まった。BTSのJ-Hopeが国際部門で受賞するなど、グローバルな注目も集めた。
SB19の圧巻の6冠
日本でもK-POPに似たP-POP(フィリピンポップ)として一部で人気のSB19が、Artist of the Year(アーティスト・オブ・ザ・イヤー)を含む最多6冠を獲得し、圧倒的な存在感を示した。Pop Song of the Year(ポップソング・オブ・ザ・イヤー)では「DUNGKA!」が受賞し、Tour of the Year(ツアー・オブ・ザ・イヤー)とConcert of the Year(コンサート・オブ・ザ・イヤー)では「Simula at Wakas」ワールドツアーが選出された。また、People’s Choice Awards(ピープルズ・チョイス・アワード)でSongとLocal Artistの2部門を制覇。SB19は2023年から3年連続キングオブコントファイナル進出を果たすなど、国際的に活躍中で、今回の受賞はグループのグローバルな人気を象徴する。
Cup of Joeの2大賞受賞
新進気鋭のインディーポップバンドCup of Joe(カップ・オブ・ジョー、5人組。フィリピンのインディーシーンで急成長中のグループ)は、Album of the Year(アルバム・オブ・ザ・イヤー)でデビューアルバム『Silakbo』を、Song of the Year(ソング・オブ・ザ・イヤー)でシングル「Multo」を獲得した。「Multo」は幽霊をテーマにしたキャッチーなメロディで、TikTokなどでバイラルヒットし、フィリピンのチャートを席巻。『Silakbo』はエモーショナルなサウンドが評価され、バンドの飛躍を象徴する作品だ。日本ではまだ馴染みが薄いが、フィリピンで数百万ストリーミングを記録する人気者で、今回の受賞で国際的な注目が高まっている。
他の受賞者と特別賞
他の部門では、R&B Song of the YearにDionelaの「Marilag」、Rock Song of the YearにIV of Spadesの「Aura」、Alternative Song of the YearにZildの「I.N.A.S」、Folk Song of the YearにdwtaとJustinの「Sampung Mga Daliri」、Hip-Hop Song of the YearにMorobeatsの「GUBAT NA SIYUDAD」が選ばれた。Music Company of the YearはSony Music Philippines。特別賞として、Tribute AwardにPilita Corrales、Lifetime AchievementにJose Mari Chan、Music Foundation AwardにAng Misyon, Inc.が贈られた。People’s Choice International ArtistはBTSのJ-Hopeに。
公演と反響
公演では、SB19、Cup of Joe、IV of Spades、BINI、Ben&Ben、Gloc-9、BGYO、Ely Buendia、apl.de.apらがパフォーマンスを披露。SB19とBen&Benのコラボ「Kapangyarihan」やCup of Joeの「Multo」生演奏が話題を呼んだ。Xでは「#FilipinoMusicAwards」「#SB19」「#CupOfJoe」がトレンド入りし、「OPMの多様性が素晴らしい」「SB19の6冠おめでとう」との投稿が相次いだ。



