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米、自動車に25%関税を決定 日本政府は交渉継続と対策検討へ

米国のドナルド・トランプ大統領は26日、日本車を含むすべての輸入車に25%の追加関税を課すと発表した。この措置は4月3日から自動車に適用され、5月3日までにエンジンなどの基幹部品にも適用される。トランプ大統領は「公平な貿易関係の再構築」とし、関税措置を「恒久的なもの」と位置づけている。米国内での自動車生産を促進し、製造業の国内回帰を目指す狙いがあるとみられる。

林官房長官「極めて遺憾だ」

これを受け、林官房長官は27日午前の記者会見で「極めて遺憾だ」と述べ、日本を対象から除外するよう求める方針を明らかにした。また、石破首相からは以下の3点の指示が出された。

  1. 対外交渉の継続 – 日本車が関税の対象外となるよう、米国側と交渉を続ける。
  2. 国内対策の強化 – 自動車産業や雇用への影響を精査し、必要な対応を講じる。
  3. 関係閣僚との連携 – 政府一丸となって対応を進める。

石破首相は27日の参院予算委員会で「発表を受けて適切な対応を考えねばならない。あらゆる選択肢を検討する」と強調し、「25%の関税を日本に適用しないよう強く要請している」と述べた。

対米輸出は約3割、日本経済への影響は

米国は現在、乗用車に2.5%、トラックに25%の関税を課しているが、今回の追加措置により、さらに25%が上乗せされる。日本の自動車産業にとって、対米輸出は全輸出額の約3割を占めるため、影響は避けられない。米政府高官は「輸入車の量が米国の安全保障を損なう恐れがある」とし、通商拡大法232条に基づく措置であると説明した。

今後の展望

トランプ政権は年間1000億ドル(約15兆円)の関税収入を見込み、減税の財源に充てる方針を示している。また、貿易協定「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」を結ぶカナダとメキシコについては、米国製以外の部品使用割合に応じた関税の適用を検討している。

日本政府は、今後も対話を重ねつつ、日本の自動車産業への影響を最小限に抑えるための措置を講じるとみられる。